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2024.04.13 Saturday
今年の桜
今年の桜は遅かった。
珍しく、小中高の入学式に間に合った。 大学は4月1日実施のところが多いので、まだだったが…。 大阪に通いだして、5年になる。 今年初めて、桜の宮駅の近辺に桜が多いことに気がついた。 あまり車窓を気にしていかなったからだ。 調べてみると、桜の宮公園というのが近くにあって桜の名所になっているらしい。 いつもはあまり明るくない車窓が、ピンクの桜の花で鮮やかに見える。 今年も桜が咲いたなあ、と思わせられる風景。 学校にはたいがい桜の木が植えてある。 文科省が「ソメイヨシノ」を植えるように指導したのだ、と小林秀雄が言っていた。 彼は本来の日本の桜は、山桜だと言っていたが、そんなことを言っても手遅れだ。 ぼくらは「ソメイヨシノ」こそが桜だと思っている。 毎年桜の季節は巡ってくる。 それが卒業、入学、あるいは入社などと重なるから、日本人は桜という木と人生や時の流れを結びつけるのかもしれない。 卒業ソングに桜はよく出てくるし、「同期の桜」というのも、桜のシーズンと入社のシーズンが重なっているからだろう。 前にも書いたような気がするが、この季節になると「あと何回、桜が見られるのだろう」などと思う。 当然、若い頃はそんなことは思わなかった。 そういうことを思い始めて、若いということはいいことだと思った。 去年亡くなった母は、施設で季節の感覚ももうなかったが、それでも、最後にもう一度桜を見せてやりたかったと想う。 母が亡くなって、心残りはたくさんあるが、それは大きいものだ。 |
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