考えたこと2

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キャリア自立
G型企業とL型企業という分類がある。
グローバルの競争世界で生きているのがG型企業。
その最たるものが電気産業や自動車産業だろう。

ぼくは民間企業で働いている時、その業界の端っこにいた。
25年働いた後、教育業界に転職して仰天したのは、そこが全く競争意識がなくて、IT化を始めとした効率化が遅れていることだった。
大学のキャリアにいる時、教育業界や福祉業界などのL型の世界も見たが、やっぱりL型企業はG型企業とだいぶ違うということだ。

そのG型企業が今苦しんでいる。
グローバル化が進み、ワールドスタンダードに合わせなければ競争に負ける、ということだ。
そのために、人事制度も変えようとしている。
それが終身雇用をやめる、ということになる。

終身雇用制度は、若い頃は安い給料で働く代わりに、年をとっていけば給料が上がり、定年まで守られる、という制度だ。
それをやめる理由は、一つは優秀な若者はもう安い給料で雇うことはできない、ということだ。
ソニーなどのグローバル企業が、日本でも年功序列を外れたコースで初任給700万円というような制度を作っている。
そうしないと、AIシステムがわかる人材が採れないのだ。

その上、この長引く不況で年功序列制度の負の側面が大きくなってきた。
会社にしがみついて、働かない中高年が増えている。
会議が仕事で、在宅勤務になるとすることがない、というような記事が出ていた。
ぼちぼち、成功した終身雇用も賞味期限が切れている。
もうどこかの国をキャッチアップしていたらいい、という時代ではない。

日経ビジネスの記事によると、経団連会長の中西氏(日立の取締役会長)は、日立の入社式を廃止し、入社直後から会社にぶら下がろうとする社員の意識を排除していくらしい。
こういう動きはG型企業ではやむを得ないのだろう。

日本の企業には雇用契約や就労規定はあるが、厳密な意味での職務記述書(ジョブディスクリプション)はない。
グローバルでは当たり前なことが、日本ではガラパゴス化しているのだ。
目標管理などをやってみても、結局は「みんなで」やる、ということで個人では差がつかない。
年次的に職級が上る人は甘くなり、上がってすぐの人は「がまん」してもらったりする。
そういうやり方をやってしまう。
かく言うぼくも、会社にいる頃はそういう評価をしていた。

しかし、日立はグローバル人事を制度化し、2017年からは労組とも社員の評価をジョブ型に変更すべく交渉しているという。

同様にトヨタもグローバル競争の中で、まさに100年に一度の大変革「CASE」http://suzy.blog.bai.ne.jp/?eid=221961をやらないといけない、ということで、人事制度にメスを入れようとしている。
こちらも、「会社にぶら下がって生きていくのは無理」ということだ。

社員は一人ひとり、主体的にキャリアを作っていかないといけない。
会社はそれを助けてはくれない。

若い人たちにとっては、まだ小さな変革であり、望ましいという人も多いだろうが、中高年にとってはきついと思う。
でも、それをするために副業の解禁や在宅勤務(仕事を個人に分ける)をやろうとしている。

ぼくらはかろうじて逃げ切ったが、まだまだ現役の人たちは大変だ。
でも、それをやらないと、日本の未来は暗くなる。

当分は終身雇用との併用だろうが…。

それが究極の働き方改革だ。




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