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2020.07.12 Sunday
日本の非効率
東京で新型コロナウィルスの感染者が増えているが、積極的な検査によって陽性者増えたからだという。
今までの感染者数のデーターとは性格が違うので、過去のデーターとは比較ができないらしい。 そのせいで、緊急事態には当たらないということだ。 ぼくは感染者の数だけを云々すること自体、どうかと思う。 重傷者数、無症状者数なども合わせて報道すべきだ。 もちろん、一番大事な医療資源の圧迫度合いも知らせるべきだろう。 でも、それはさておくことにする。 問題は、感染者数のデーターに一貫性がないから、判断が変わるということについてだ。 5月末まではNECID(感染症サーベイランスシステム)というものだったとのこと。 時代遅れが問題になった、手書きのFAXというもの。 感染者を確認したら、手書きの発生届を作成して、FAXで保健所に送り、そこで確認した後厚労省や国立感染症研究に連絡されるというシステム。 手書きの紙とFAXという、20年は遅れているという代物。 あきれた話だが、これが実態。 神戸市の外郭団体で定年後勤めている友人も、公務員の世界がいまだに紙とFAXなどの時代遅れのシステムで成り立っていることに驚いていた。 当然、手書きとFAXの世界だから、多くの手待ちが発生する。 そこで感染者が増えれば破綻するのは当然。 紙詰まりや回線がつながらないというようなトラブルが多発したらしい。 こないだ書いたが、超過死亡者数の月別データーなどは世界から3ヶ月も遅れている。 情けない話だ。 おまけに、患者の入退院情報が入力項目になっていなかったりして、東京都から厚労省に改善要求を出されている。 厚労省は、それをメールで保健所に送るように指示を出したのだが、そのころは保健所も忙しくて、ちゃんと送ったのは1/5の自治体だけだったらしい。 しかたなく、都道府県がHPに出している値を積み上げる方式に変更して、入退院数が一気に5000人減ったりした。 やっと5月に「新型コロナウィルス感染者情報把握・管理支援システム」が稼働して、タブレットで情報を入力して関係機関で共有できるようにした。 それも、現状では7割の自治体しか使えていないのが実態。 昔は日本は統計データーが揃っている国と言われていたらしいが、今はこのていたらく。 政府はビッグデーター云々を言っているが、足元がグダグダだ。 これは頑なに仕事のやり方を変えようとしない役人の問題でもある。 何より、公務員試験がそれを表している。 ほとんどが文系行政職で、何十年も前から同じ試験。 科目も殆ど変わらない。 民間が今のネットに対応したIT化を勧めたのは、ほぼ30年前くらいから。 そういうことを勧めないと、競争に負けるからだ。 負ければ、会社が潰れる。 公務員は自治体が潰れない。 だから、ITを使った効率化をしなかった。 それをすると、ずっとやってきた仕事の内容が変わる。 人も減らさないといけない。 だから、変えなかった。 ただ、それだけのことだったと思う。 そういうことをずっと続けて、今まできた。 それも日本の生産性を下げている大きな要因だ。 このツケは大きい。 |
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