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2020.07.06 Monday
インバーター
ぼくらが小さい頃、電池駆動のプラモデルをよく作った。
あの経験があったから、ぼくは何も考えずに理系を選んだ。 プラモデルで使われるモーターは、乾電池の直流を使うモーターだった。 マブチモーターというブランド。 今でも小型直流モーターで世界でもトップシェアだ。 今の小学生はゲームに触れることはあっても、電池とモーターというアナログなものに触れることはないだろう。 もったいないと思う。 電池駆動のプラモデルを作るということは、回転エネルギーをどう利用するかということを実地で理解することだ。 部品として回転数減少のためのギアを使ったり、二足歩行のロボットなどクランクを使ったりしていた。 だから、ずっとモーターは直流、ということが頭にあった。 ブラシという電流の方向を変える仕組みがあって、それはプラモデル用のマブチモーターにもちゃんと付いていた。 理科で習ったときに「なるほど」と思ったものだ。 モーターの周りに磁石が入っていることも、分解したことがあったから、知っていたなあ。 しかし、交流モーターというのもあって、これは中学の理科か何かで習ったのだったか…。 電気には交流、直流があり、それぞれにメリット、デメリットがある。 EVのように細かい制御が必要なものには、交流モーターが向いている。 電池は直流で、モーターは交流なので、ここで活躍するのがインバーター。 エアコンなどの省電力に役立っている。 直流から交流に変換するものだ。 同時に交流の周波数も変えることができる。 これが交流モーターの制御に役立つ。 ポルシェの新型EVは従来の電池の電圧400Vを800Vに上げた。 電圧を上げると、大量の電池を搭載して航続距離を伸ばし、さらに充電時間を短縮できる。 20分の充電で、航続距離400kmの充電ができるとのこと。 スマホの急速充電と同じだ。 充電ケーブルも、高電圧のため、流れる電流が小さいので細くできる。 高い出力が必要な部品は、高電圧化で小型化も可能だ。 このポルシェ用のインバーターは日立が作っているらしい。 インバーターやモーターはアナログだ。 デジタルの世界ではなかなか勝てないが、アナログは日本が強い。 もちろん、エンジンのようにアナログ部品の塊、というものではないが、車の電動化は時代の流れであり、そこで強みを持っておくことは必要だろう。 まだまだ技術開発は続くだろうが、頑張ってほしいと思う。 |
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