考えたこと2

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問う力
最近、小林秀雄の講演のCDをクルマの中で聞いている。

前にも書いたが、この人は1970年代の受験生にとっては、とにかく難しいものを書く人だった。

しかし、今になって話を聞いてみると、よくわかる。
そして、話が面白い。

「私の書くものは難しいといわれるんだよ。」
「みんな、早くわかりたい。」
「でも、わかるっていうことは、苦労するというのと同じ意味なんだよ。」

なるほど、わかるということは、苦労するということか。

高校時代、全く何を言いたいのか、わからなかった。

その人が、「今の教育は、答えを先生が隠して、そして問題を生徒に出す」という。
それは、実際には「答えをあてる」ということであって、考えたことにはならない。
本当に人間が考えるためには、「正しく問う」ということをしなくてはならない。
「正しく問う」という行為だけが、人間の考える力をつけさせる、というようなことを言っている。

ああ、そうなんや…と聞いていて思う。

「問う力」を鍛えるということには、どんなことをすればよいのだろうか。

これは、何度も自分に問いかけるしかないのだろう。

人は、信頼する人と、心を開いて対話するという行為によって、知恵をつけることができる、とも言っている。
プラトンという人が書いているらしい。

それをつきつめると、自問自答という形式になる。

「諸君は自問自答しているか」

そういうようなお話。

高校のときはわからなかったが、今になってみるとわかる。

それは、うれしいことだ。

54歳まで生きていてよかったと思う。

| | 考えたこと | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
税金
今日大学生に、今の日本の国の状態を知ってるか?と聞いたら、それはどういうことですか?という。

今の税金や国債の事を考えると、どうなるのか?という風に聞きなおすと、えらいことだ、という返事。
実際にえらいことになる。
えらいことだ、と思ってはいるのだが、そこから先は出てこない。

所得税、法人税、消費税の数字でいうと、1990年に合計50兆円程度あったのが、2010年には30兆円程度。
税別でいうと、所得税が26兆円程度あったのに、今や15兆円程度。
法人税は19兆から6兆程度に、消費税が5兆円から10兆円に、それぞれ変化している。
消費税は3%から5%に上げたので、増加しているが、その他は惨憺たるありさま。

その減少を補うために、赤字国債を発行している。
その累積が1000兆円に迫ろうとしている。
年間の予算は100兆円程度。
今はまだ、国内の資産があるとか、きっと払えるとかいうことで、国債の利回りは低い状態だが、これが信じられなくなった時には、国債は危ないということで利回りが高騰する。

そんな時が来るのではないか。

そして、東北関東大震災はそれを加速させるかもしれない。

そんなことを全く知らない若い人たちに、その状況をどう説明したらいいのか。
途方に暮れた。

ぼくは、大人の一員として、何とかしないといけないと思う。
しかし、今の政権や政府を見ていると、ダメではないかとも思う。

若い人たちは、本気で日本を捨てて、海外で生きるという選択肢を考えた方がよいのかもしれない。

残るのは、大人だけでよいのだ。

右肩上がりの経済状況の時に作った制度を温存し、今やにっちもさっちもいかなくなった。
年金、保険、医療、介護、いずれもたちいかない。

その責任は大人がとらなければいけない。



| | 考えたこと | 00:45 | comments(0) | trackbacks(0) |