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2011.05.04 Wednesday
ロシア語
昔の大学には、第二外国語というものがあり、必修だった。
たいがいの人は、フランス語、ドイツ語を選んだ。 ところが、ぼくが入った学科は、ロシア語を選ぶようにという指示があった。 当時(1970年代後半)、確率がもっとも進んでいたのがソ連だったからだ。 ロシア語は文字が多い。 キリル文字というヤツで、RやNの鏡像とか、Φみたいなギリシア語のような文字もある。 たしか、Cはエスで、Pはエルだった。 これは難物だった。 最初に習ったのは、エタ・クニーガというもの。 「これは本だ」という意味だ。 1年生の単位は何とか取ったが、2年生はとても無理だった。 ロシア語は、固有名詞も変化するのだ。 「タナカ」は主格、「タナク」が目的格という風に変わる。 これだけでも、英語学習者からみるとビックリだ。 また、フランス語やドイツ語と同じように、名詞には男性・女性・中性がある。 これを週に1回(2回だったかもしれない)の授業でマスターするのは、よほどの意思がないと、無理だと思う。 英語を6年やっても、まだまだ使い物にならないのだ。 結局、2年生のロシア語は落ちかけて、自主レポートを出した。 本を10ページくらい訳した。 何といっても、まったくの初心者レベルのものが、10ページも訳すのだ。 辞書と首っ引きで、ほとんどの単語を引いた。 2日くらい徹夜をした。 レポートを持っていったら、先生が「こんなものを課題にした覚えはない」と言われたが、受け取ってくれて、結局は通してくれた。 今になったら、工学部の学生がロシア語を取らされて、気の毒だと思ってくれたのだろうと想像がつく。 そのおかげで、会社に入ってから、フランス人やドイツ人が来たときに、「私はロシア語ですから」と言って、出迎えを逃げることができた。 まあ、フランス語やドイツ語を話せる人は、ほとんどいなかったのだが…。 結局今頃になって、ロシア語をとっていると、ひょっとしたらモスクワ駐在というような時代になった。 BRICSの一員。 時代が早すぎたのかもしれない。 ぼくは、ラッキーだったが…。 |
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