考えたこと2

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自分の声
生まれて初めて自分の声を聞いたのは、小学校の高学年だったと思う。
5インチのオープンリールテープレコーダーというヤツが家にやってきた。
ソニーのソニオマチックというものだった。
父は全くの機械オンチだったが、同僚にそそのかされて買ってしまったんだと思う。

30センチx30センチで奥行きが15センチくらいあったかな…。
レバー式のスイッチで、Playのところにレバーをがちゃんと回すと、おもむろに動き始める。
サンプルで付いてきた5インチのテープリールを片側にセットし、テープの先をヘッドのところに手で通して、反対側の空リールに巻きつけると準備完了だ。

赤い録音ボタンを押しながら、レバーを回すと、テープが回りはじめ、赤いランプがついて録音状態になる。
メーターが付いていて、接続したマイクに向かって声を出すと針が振れた。

家族みんながそのテープレコーダーを囲み、何か言う…という、当時初めてテープレコーダーというものを見た家庭ではいずこにも見られたと思われる光景が出現する。

その時に初めて自分の声を聞いた。
話した内容から、これが自分の話している分ということはわかるが、声が違う。
たぶん、誰しもテープレコーダーの性能が悪いんだと最初は思うだろう。
ところが、聞いていた家族はオマエの声だという。
たしかに、他の人の声は、いつも聞いている声だ。
そして、みんな自分の声はオカシイという。

そうなって、ようやく、自分で聞いている声と、他人が聞いている声は違う…ということがわかるのだ。

なるほど、自分の声はのどから耳に直接入っているから、人が聞いている声とは違うのか!と感心し、みんな録音された自分の声は、ヘンな声だ…と思う。
やっぱり、生まれてからずっと聞いている自分の声と違う、ということは大変な事なのだ。

三百万年か四百万年かしらないが、その間人類は自分の声をわからないまま生きていたということだ。

そう思うと、テープレコーダーというものはすごい発明だ。

そのわりに、そこのところは評価されていないようだが…。

オープンリールテープレコーダー…なつかしい。

昭和時代でした。



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