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2018.04.18 Wednesday
モビリティサービス
将来の自動車産業はどうなるのか、というのは興味がある。
ぼくはクルマに関わる仕事を25年してきて、やっぱりクルマが好きだからだ。 最近、「MaaS」という言葉を聞いた。 これはMobility as a Serviceという意味で、「ライドシェアなどの移動にからんだ新しいサービス」ということ。 いよいよ、クルマの新しい使われ方が具体的になってきた。 MaaSの市場は、「2050年に300兆円を超える規模になる」と言われているらしい。 自動運転やライドシェア(カーシェア)、車同士が通信するコネクティッドカーなどの技術が新しい市場を生み出す。 今でも都市部では若い人たちはクルマを持たない。 社会保障に払うお金が増えたということもあるが、クルマに乗りたければ、カーシェアリングの会員になれば済むからだ。 インターネットでの会員登録、決済、地図の表示などの仕組みが、安くカーシェアリングを実現した。 耳が痛いが、自家用車の稼働率は3%程度だという。 一家庭に一台というのは、社会全体で見たらロスになる、という発想がMaaSの考え。 空いているクルマをみんなでシェアして利用しよう、というのは特に日本の都市部では有効だ。 何より、クルマを持たないことによって可処分所得が増える。 豊かになるのだ。 ぼくの時代は、仕事をしてクルマを持つことが夢だった。 新車が出るたびに、カー雑誌を買ってどんなクルマか調べる人もいた。 そのカー雑誌も激減してしまった。 若い頃、会社に入ってくる若い人の中には、ラリーをやっている人もいた。 給料をつぎ込んでクルマを改造して、ラリーに出るのが趣味という人もいた。 今では公道を走るラリーの規制が厳しくなり、どんどん下火になってしまった。 レース人口も減ったと思う。 乗る人だけでなく、見る人も減った。 日本全体で、自動車市場は縮小していると思う。 軽自動車が全自家用車の4割売れる時代。 日本はもう、そういう時代なのだ。 日本の田舎のように、公共交通機関を自治体が維持できなくなるようなところは、Uberのようなクルマとドライバーをシェアするという考え方が合っている。 高齢化社会で、働き手が不足する時代だから、シェアしないともったいない。 そういう、社会の効率化という意味では、MaaSというのは普及すべきなんだろう。 ぼくらがクルマに憧れた、最後くらいの世代ということかもしれないなあ。 |
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