考えたこと2

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遙かなるケンブリッジ
遙かなるケンブリッジ 一数学者のイギリス 藤原正彦著 新潮文庫

藤原正彦の本は読みやすく、面白いので買ってあった。
この本は若いころアメリカに留学した著者が、結婚して大学の教授になり、そしてイギリスのケンブリッジ大学に1年間の研究滞在した時の紀行記。

寝ながら読んで、今日は大阪に電車で出張だったので、電車の中と喫茶店で読み終えた。

ケンブリッジ大学はオックスフォードと並んでイギリスの頭脳と言ってもいい。
数々の近代の自然科学分野での発見をした学者たちが、ここの出身。

家主と話をしていたら、祖父の話になり、話を聞いていたら家主の祖父はノーベル賞をもらっていた、ということだ。
イギリス紳士は自慢することを毛嫌いし、慎み深さを尊ぶという。
威張れることがあったら素直に威張る、アメリカ人とは対照的とのこと。
また、必死に頑張るのは性に合わないらしい。
実績のあるケンブリッジの教授にして、半分の力でしか研究していないのではないかという。

この本の一番のクライマックスは次男がいじめにあったことだろう。
イギリス人の人種差別について、実際の経験に基づいて語られる。
ロウアークラスの人々の、アッパーミドル以上の人に対する敵意もすごいものがある。
これらのロウアークラスの人々をどうしていくかが、イギリスの問題だ、という。
平成3年の刊行だから、今から22年前。
サッチャーが首相の頃である。

結局は校長に直談判し、解決を見る。

でも、そこに至るまで家族の葛藤がある。
異国の地で大変だったろうと思う。

この当時は日本はまだ豊かだった。
豊かさのちょうど終わりの時期。
ある意味絶頂期だったのかもしれない。

だから、著者も日本と比べて、イギリスの凋落を憂いている。

しかし、今の日本も同じこと。
もちろん、経済的にはまだイギリスよりもマシ。
ただ、生活の質や伝統を考えると、イギリスはまだ豊かかもしれない。

色々と問題を抱えた国ではあるが、しぶとい国だと思う。

それには、ユーモアが絡んでいるのかもしれない。


| | 考えたこと | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
日本の会議
日本人の会議には2種類あるらしい。
どちらが普通の会議かはわからないが…。

一つは討議するための会議だ。
何か課題、問題があって、それを討議するために会議をする。
辞書で「会議」をひくと、「関係者が集まって、相談をし、物事を決定すること」と書いてある。
文字通りこれが会議だろう。
長らく、それが会議だと思っていたのだが、どうもそうではない会議もあることに気がついた。
これが二つ目の会議。
それは、何といったらいいのか、議事が最初から決まっていて、それを決めていく会議とでも言うか…。

それらの議事について、本気で議論してはいけない。
本気で議論しようとすると、異端者と思われ、排除されるというようなメンバーが集まっている会議だ。
それらの議事について、カタチだけ話し合ったという記録を残すための会議と言ってもいい。
その目的を達するために、会議に先立って議題整理という準備がある。
この会議でどんな議題が話し合われる予定か、ということを議長に説明する。
そこで、根回しの状況などが確認される。
つまり、会議の前に合意形成が行われる。
それがちゃんとしていたら、別に構わないのだが、これがすべてのメンバーの知恵を出し合って討議した結果とはとても思えず、一部のメンバーだけで決めた筋書き通りに進めるために行われるということが特徴だ。

会議は何のためにあるか。
それは関係者が集まって、知恵を出し合うために行うのだろう。
いろいろな視点から問題を見つめ、立場を超えたところで合意を形成するのが目的だ。
そういうふうにして、最も効果的な策を打つ。
そのためには、会議のメンバーが等しく討議しないといけない。

そういう会議の役割を無視しているのが、二つ目の種類の会議。

みんなの知恵、立場の違いを超えて、どうするべきかを話し合わない会議だ。

そういう会議がある。

多くの民間企業のサラリーマンには関係がない。

しかし、こういう会議もあるのだ。

残念ながら。


| | 考えたこと | 01:25 | comments(0) | trackbacks(0) |