考えたこと2

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ガンジーの言葉
去年から、飯田経夫という経済学者の本を何冊か読んだ。
前に、「経済の意味」というタイトルでここにも書いたが、この人はこれ以上豊かになることがいいことなのか?という問いを立てている。

携帯電話のサービスで、携帯サイトの中の広告をクリックすると、サイトの中で通用するオカネがもらえて、それを使ってゲームをダウンロードしたり、サイトの中のサービスを使うことができる…というものが中高生の間で流行っているらしい。

「モバイル」の頭をとって、「モバ…」という関係?がサイトの中で作られる。
「モバ日記」「モバ彼」「モバ彼女」「モバ家族」…。

携帯の画面に表示される広告をクリックして、バーチャルなオカネを手に入れて、その中でモバイルな関係を作る…。

こんなサービスが出てくるのは、豊かになった象徴だろう。
でも、これは本当に豊かになったという事なのだろうか…。

今日、子供の学校の先生が、ガンジーの言葉を引いているのを読んだ。

「文明の本義は、需要をふやすことではなく、慎重かつ果敢に、欲望を削減することにあります。ただこれのみが、真の幸福と満足を招来し、奉仕の能力を倍加するのです。(イェラバダー・マンデルから)」

日本は高度成長期に豊かになった。

ぼくらは、小学校の頃の写真は白黒だったし、セーターは母に編んでもらったものだ。
身体が大きくなると、編んだセーターをほどき、毛糸玉にして、もう一度大きなセーターを編んでもらっていた。

舗装されていない道もたくさんあったし、父親が学校行事に来ることなどなかった。

家にテレビは1台で、居間に鎮座していた。
スイッチを入れても、数十秒は待たないと見られなかったし、ガチャガチャと回すチャンネルはよく接触不良になった。
どうしても見たいマンガを見るために、チャンネルを押さえながら見ることもあった。

テレビに出てくる人はみんなエライ人ばかりだった。
クイズ番組には、ちゃんと答えられる人しか出てこなかった。
回答者が間違えた答えを笑うような番組などなかった。
豊かになったから、今のテレビ番組を見ていると、電波も無駄遣いしているように思える。

「文明の本義は、需要をふやすことではなく、慎重かつ果敢に、欲望を削減すること」
すごい言葉だと思う。

世界をあげて、どの国もみんな国民総生産を増やそうとしている。
GNPが増えることはいいことだ。

ぼくらは、豊かになって、良かったと思う。
飢える人がなくなり、みんなが食べられる時代が来たのだ。
労働時間も減り、休みも増えた。

でも、ガンジーの残した言葉は今の日本に必要とされているのかもしれない。
飯田先生も同じことを思ったのではないか。



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