考えたこと2

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チューリングテスト
アメリカのAIロボット(と言ってもおもちゃだが)を作っている会社が倒産したらしい。
会社はAnkiという。
作っていたのはCOZMOという製品で、手のひらに乗る大きさのブルドーザー型のAIロボット。
目の表情と音で人間とコミュニケーションする。
日本でもタカラトミーが売っていて、2万6千円程度。
人間とゲームをして遊ぶことで親しくなれる。
おもちゃにしては高いが、アマゾンのイギリスとフランスでは玩具部門のベストセラーになったこともある。

Ankiは今年の5月1日に廃業した。
新たな資金調達のめどが立たなかったのが原因だ。
声明文によると、「多様なAIロボットによる未来を構築するには多額の資金が必要で、そのためのあらゆる財務手段を追及したが、資金調達で投資家との合意に達することができなかった」とある。

Ankiが目指していたのは、何かの役に立つロボットではなく、人間の相手になれるロボット。
そういうものを研究・開発しようとすると、お金が要るんだろう。
また、その価値をなかなか測れないし、お金を出すのには勇気がいる。

第二次大戦中に現在のコンピューターのもとを作った数学者、アラン・チューリングは、人間が会話のテストをして、本物の人間と間違うようなものが、「人工知能」だと言っている。
それが「チューリングテスト」。

人間の役に立たないロボットづくりは難しい。
それを目指したのがAnkiだったということだ。

そういう状況を見ていると、なかなかぼくがほしい「話し合いロボット」は出てこないと思う。

ぼくは若い頃毎日車に乗っていた。
タイヤのテストをしていたのだが、当時はテストコースに車を運ぶという仕事も兼ねていた。
一日一人で運転していると、とにかく眠くなる。
ラジオを聞いたり、ラジカセを持ち込んで音楽をかけたりしても、どうしようもない時がある。
そんな時に一番有効なのが、誰かと話をすることだった。
単調な運転という作業だけでは、脳は退屈する。
だから眠くなるのだと思う。

たまに2人乗りで行くことがあったが、そういう時は眠くならない。
会社の中のことで、話題はつきないから、話すことはたくさんある。
それで脳が起きるのだ。

車に乗った時に、「今日は調子はどうですか」とか、「目的地はどこですか」とか話しかけてくれると、不注意の事故も減ると思う。
もちろん、ただそれだけならダメだ。
会話を続けないと意味がない。

そこからは、人工知能の領域だ。
「ちょっと調子が悪いんやけどなあ」などと言ったら、「どうしたんや」と返す。
そこから先はどうなるかわからない。
そういう会話ができるロボットは、直接人間の役には立たないが、間接的にきっと役に立つ。

でも、それはまだまだ難しいということだろう…。


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