考えたこと2

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人生の満足度
人生の満足度を測るテストというのがあるらしい。
エド・ディーナーというアメリカのイリノイ大学の先生が考案した。

質問は5つ
1.ほとんどの面で、私の人生は私の理想に近い
2.私の人生はとてもすばらしい状態だ
3.私は自分の人生に満足している
4.私はこれまで自分の人生に求める大切なものを得てきた
5.もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変えないだろう

これらの質問に点数をつける。
1点 全く当てはまらない
2点 ほとんど当てはまらない
3点 あまり当てはまらない
4点 どちらともいえない
5点 少し当てはまる
6点 だいたい当てはまる
7点 非常によく当てはまる

評価の基準
30点以上:人生満足度が非常に高い
25〜29点:満足(人生が順調)
20〜24点:平均的な満足度
15〜19点:やや満足度が低い
10〜14点:不満
5〜9点:不満がとても強い

過去の調査では、日本の大学生の平均が約18〜22点、アメリカの大学生は約23〜26点だったとのこと。
日本人は低めに出るということか、それとも本当に満足していないのか…。
でも、主観的には日本の大学生は満足度が低い。
日本の方が同質性が高いから、人と比べやすいからかもしれない。
人と比べてしまうと、上を見てしまい、満足度が低くなるのだろう。

こないだの大統領選挙では、アメリカの大学生は民主党のバーニー・サンダースびいきが多いと聞いた。
公立大学の無償化を主張し、格差の縮小を掲げたからだ。
2011年には、ウォール街でデモもやっている。
1%の富裕層が2割の富を持っていっている、ということで、We are the 99% というスローガンだった。
今のアメリカの若者は格差に対して怒っている。
それでも、人生の満足度は日本より高い。

絶対的な格差でいうと、アメリカが圧倒的に大きい。
日本の問題は、所得中間層の没落だ。
1992年をピークに、中間層の所得がずっと下がり続けていて、こないだ書いたように、実質所得が広い範囲で下がっているという事実。
実際、子どもの6人に一人が相対的貧困状態。
相対的貧困とは、「その社会で大多数が「当たり前」と思っている生活ができず、社会参加ができない人の割合。今の日本の子どもなら、ご飯を食べ、友達と遊び、勉強し、望めば高校や大学に挑戦できる、といったことができない状態を指す」とある。
この状態を見て育ったのが今の若い人たち。
高齢化率も高く、選挙をやっても、自分たちの意見が通らないと諦めているということもあるのかもしれない。

これじゃあ、満足度は下がるわなあ。

恐いのは、アメリカの若者がサンダース支持をしたり、ウォール街でデモをしたりして、意思表示しているのに対して、日本の若者はそんな意思表示もせず、こっそり「人生の満足度が低い」ということだ。

これはぼくら年寄りが何とかしないといけないぞ。
| | 考えたこと | 23:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
銀二貫
銀二貫 高田郁 幻冬舎時代小説文庫

NHKでやっている土曜時代劇「みをつくし料理帖」が面白いので、元となる小説の作者、高田郁の本を実家で借りた。
この「銀二貫」というのも2014年にテレビ化されていた。
また再放送しないかな。

「銀二貫」というのは、大阪の寒天商が天満の天神さんに寄進しようとして持っていたお金。
それがひょんなことから、京都で主人公を助け、大阪に連れ帰り、丁稚として使うためのお金に化ける。
口うるさい番頭や気のいい丁稚仲間、寒天職人などに育てられ、一人前の寒天商になっていく主人公。
途中何度かの火事があり、焼け出されたりするが、二十数年を経てようやく銀二貫を天満の天神さんに寄進できるようになるという話。
もちろん、寒天を使った料理屋の娘とのロマンスもある。
なかなかいい本だった。

この高田郁という人は、もともとマンガの原作者をしていたとのことで、絵になる小説を書く人だ。
大阪が舞台ということもあり、馴染みのある地名が多かったからかもしれないが…。

作中の料理は必ず自分で作ってみる、ということらしい。
解説に書いてあった。
そういう研究熱心さが小説の中にも現れている。

それにしても、新しくできた文庫は字が大きい。
ページ数の割にはすぐに読める。
文字の量が半分とは言わないが、だいぶ少ないと思う。
老眼対応だ。

若いころに読んだ文庫本は、今よりももっと字が小さかった。
日本全体がまだまだ若かったんだろう。
ページ数を減らして、紙の値段を安くして、本を出すという文庫の位置づけもある。
ネットで調べると昔は文字フォントが7.5ポイントだったとのこと。
それが今は9.25ポイントまで大きくなっているらしい。
時代小説など、高齢者の方が読者が多いから、ページ数が増えて値段が上がっても字を大きくする方が江手に取ってもらいやすいということだ。

やっぱり字が大きいと読みやすい。

時代は変わったなあと、時代小説を読んで思った。


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