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2017.06.12 Monday
役に立つ勉強
小学校、中学校で習うことについて書いてある記事を見た。
それによると、小学校で習うことは社会生活を営んでいく上で欠かせないという。 これがないと、自立するのすら厳しい。 漢字、分数、割合など。 中学校では、どちらかというと科学的な自然観・社会観を身につける上で、最低限度のものを学ぶということになる。 「例えば、銅が酸化するとき銅8g:酸素2gで10gの酸化銅ができるとか、そういう細かい知識は社会人になった今、忘れているけども、なんとなく金属と酸素がくっつくときは割合があったよな、みたいな自然観が、習った人の心には沈殿する。その程度でよい。」 「たぶん、中学程度で習うことを、自分の自然観や社会観として身につけたら、かなり科学的な物の見方ができるようになると思う。さらに、具体的内容も忘れていなければ、これだけで知識上は自立した大人として十分やっていけると思う。」 今、大学生を見ていて、これらの小中学校で習うことが、ちゃんと定着していないことがわかる。 就職筆記試験で割合や百分率で苦労する学生がいる。 もちろん、文系の学生だが、入試から数学をなくしてしまっていいのかと思う。 そういう学生は、中学でも苦労したんだろう。 言われるように、中学で習うことをちゃんとやっていたら、科学的なものの見方ができると思うが、そこが危機的な状況になっている。 今就職の現場で求められているのは、論理的に書いたり、話したりすることだ。 事実と意見を区別したり、原因と結果を分けて話したりすることがなかなかできない。 これらは、中学までの勉強がある程度ちゃんとできていたら、身につくのではないかと思う。 逆に言うと、発達的な観点からみて、中学卒業までにある程度社会的、自然科学的な見方を身につけないといけない、ということだ。 それこそが、義務教育の役割だと思う。 そういう意味では、義務教育で習う内容は、「役に立つ勉強」だ。 それ以降は直接役には立たない、と記事の中でも言っている。 その「役に立つ勉強」が今軽んじられていると思う。 そこがちゃんとできないまま、高校や大学に進学してしまっても、それこそ役に立たない。(この際、なぜちゃんとできなくても進学できるかは置いておく) だから、力を入れるべきは義務教育なのだと思う。 そこがちゃんとしてないのに、高等教育に力を入れてもほとんど効果がない。 大学の無償化よりも、そちらが先だ。 |
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