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うまくいかなかったらどうするのか その4
それらの先生方のカリキュラムをいじって、科目内容は変わらないが、組み換えを行って学部改組を行うという手順だった。

細かいことは割愛するが、二つの学科の特性を活かして、いくつかのコースを作るという手だ。
全面的に信頼する先生の考えに従った。
この先生は本当にスゴイと感心した。
この先生に会わなかったら、ぼくの先生観はもっと違ったものになっていただろう。
思ったのは、この人なら企業でも大学でもやっていけるだろう、ということだ。

ぼくらが取った戦略は、高校生から見ると、間口は広くなるように見える。
こういうやり方をすると、結果的にまだ何を学びたいかわからない、という生徒が来やすくなるのだとあとで思った。
弊害としては、無目的な生徒たちが「とりあえず」入ってきたということだ。
これは大学にとって、結構大きな問題になる。
なにかしらの目的を持ってくれていないと、やる気が出ず、学校にコミットしない学生が増えてしまうからだ。
こういう学生が増えると、授業を聞かない、私語が増える、学校の用意した課外活動に興味を示さないなど、学校としての体をなさなくなる。

今の一般的な文系私立大学は、手を変え品を変え、学生が学校に対してコミットするように誘導している。
伝統的な体育会、文化部もあるが、それ以外にも、やれプロジェクトだ、課外授業だ、先輩の話だ、イベントだ、と忙しい。

話は飛ぶが、こないだやっていた近大の入学式だが、これはつんくがプロデュースしたショーだ。
学長の挨拶は手短に終えて、後は舞台で近大生が活躍する。
こういうことをやるのも、関関同立を落ちて仕方なく入ってくる学生に、「ここで良かった」と思わせるためだ。
それだけ、学生のコミットを大学は重視している。
そしてそのターゲットは「舞台で活躍する近大生を見て、自分もできる」と思う層である。
「勉強して、こうなりたい」などと思う層ではない。
これはある種の賭けだろう。
たしかに、「ここで良かった」と思う学生もいるだろうが、あのショーを見て「え、こんなところに来てしまったのか」と思う学生もいるからだ。
とかく、下の層が目立つから、ついついそこをターゲットにしてしまう。
でも、それによって上のほうが離れていくということもある。
どう出るかな…。

まあ、近大の入学式を見ると、関関同立以下は苦戦しているということだろう。
近大があんな入学式をやって、評判をとると、きっと京都産大、龍谷、甲南あたりが何かマネするかもしれないなあ。
近大は体育会の組織率も下がってきたということだから、危機感を感じているのだろう。
とにかく、入って良かった、と思わさないと教育が成り立たない。

ようやく、本題に入るが、この改組の作業をしている時に、何度も言われて辟易としたことがある。
それが「うまくいかなかったらどうするのか」ということだ。
今、うまくいっていないから、改組をやろうとしている。
だから、一番悪いのは何もしないことだ。
では、何かをするとしたら、何をするのか、ということになる。
その時点でベストだと思うことをやっているのに、「うまくいかなかったらどうするのか」と聞かれるのにはまいった。

「いや、どうなるかはわかりませんが、何もやらないよりはマシでしょ」ということだ。

そう聞く人に限って、ではどうするのか、という考えはない。
とにかく不安なのだろう。

しまいに、「うまくいかなかったら、潰れたらいいでしょう」と言うと、「何ということを言うか」と言われる。
それなら、自分で何かしたらいいのだ。
ぼくも、存亡の危機だとわかっているし、それだからこそやっているのに、それこそ「何ということを言うか」と言い返したくなる。

こういうのは、会社ではなかった。
わかっている人は意見を言うし、わからない人は激励する。
それがふつうの組織だ。

何が「うまくいかなかったらどうする」だ。

思い出しても腹が立つ。
こういう当事者意識が欠如している人たちがいるから、大学はよくならないのだろう。

やっとこれで一件落着した。

とりあえずは終わりです。



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