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2021.02.21 Sunday
キャリア形成のジレンマ
キャリア形成関連の授業はいろんな大学でなされている。
ぶっちゃけて言えば、自分がやりたいことやなりたい姿、やっている学びやスキルと仕事を結びつけよう、という試みだ。 こういうことをやると、どうしても理想論になる。 明治大学ではこんな授業もあるらしい。 iU情報経営イノベーション専門職大学の講師が書いていた。 「明治大学の私の授業では、「死ぬまでに実現したい夢、十年後にしたい仕事、その仕事に就くため勉強すべきこと」を1分間で発表する。夢を実現するためには、いつでもどこでも誰でも安価に一生涯にわたって体系的なオーダーメード教育を受けられることが理想だ。スマートフォンに夢、就きたい職業などを入力すると、最適化されたオーダーメードの学びのロードマップが図解で表示される。そこには学年別、レベル別に身につけるべき学びの体系と細目が盛り込まれている。」 この人は、コロナでオンラインが進み、こういうことがスマホでできるようになる、ということを書いているのだが、何となく違和感がある。 キャリアの難しいところは、まだやっていない、ということだ。 将来など、わからないのだ。 ぼくが大事だと思うのは、目の前の仕事を一生懸命にやること。 それをできれば3年から5年続けてみること。 節目で自分のやってきたことを振り返ること。 結局、大事なのは現在だけなのだと思う。 たしかに、夢やなりたい姿を考えることは必要だ。 でも、考えるだけでは前に進まない。 やってみて、初めて分かることのほうが多いからだ。 人生は「こんなはずではなかった」という出来事の集積だと言ってもいい。 そういうことをわかった上で、なりたい姿や夢を考えるのは難しい。 ぼくの若い頃は「就職して、企業に入って働く」というのは「負け」みたいな風潮があった。 中村雅俊のドラマなど、そういう感じだったなあ。 自由に生きることがかっこいい、という時代。 それをユーミンは「あの頃のまま」で歌にして、ブレバタが歌った。 本当に小さい頃の夢にたどり着けるのはほんの一握り。 才能や運も左右する。 夢のリストに書いてあるものは、消していかないと行けない人がほとんどなのだ。 それをスマホに入れて、いつでも見られる、というのはどこか間違っているように思う。 そんなものはメモでいいのだ。 そして、いつかは捨ててしまう。 そういうものだと思う。 |
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