考えたこと2

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クリスマスというキラーコンテンツ
日本ではミッション系の大学はわりと人気がある。
逆に仏教系はあまり人気がない。
結婚式もチャペルが人気だという。
結婚というおめでたい席では、仏教は影も形もない。
日本は、世界でもキリスト教徒が少ない国なのに、どうしてなんだろうと思っていた。

年末の記事にも書いたが、ミッション系のクリスマス・ミサというのを見たら、何となくそれがわかった。
チャペルで賛美歌を歌っているところを見ると、厳かな感じが伝わる。
最後に「きよしこの夜」を歌うのだ。

キリスト教はほとんど浸透していないが、クリスマスは浸透している。
家の宗旨が仏教でも、クリスマスを祝わない家はない。
ツリーを飾り、家に電飾までしたりする。

ぼくのいた仏教系の大学では、学生課にクリスマスツリーが置かれていた。
法人からは文句が来たが、そんなものはかまっていられない。

子どもらは、ある年齢までサンタクロースがいるのを信じている。
アメリカのドラマを見て、キリスト生誕のクリスマスの劇を知っている人も多いだろう。
一方、仏教の花祭りなど、ほとんど知らない。

江戸時代はキリスト教は禁じられていたし、明治になってもそれは続いたらしい。
でも、1900年代に入って、クリスマスプレゼントやサンタクロースがだんだんと浸透した。
主に日露戦争が終わった頃から盛んになったという。
大正天皇がクリスマスの日に亡くなって、翌年から12月25日が祭日になったのも大きかったようだ。

昭和に入って、日華事変が起こる頃までは盛んに祝っていたらしい。
戦時中はもちろん禁止されたが、敗戦後はさらに盛んになった。

クリスマスというのは、もともとキリスト教の儀式ではないが、これを関係づけたのがえらかった。
日本のような一般的に宗教とは関係の薄い国でも、クリスマスは祝われる。
本家アメリカではメリー・クリスマスという挨拶はハッピーホリディに変わってしまったが、日本ではまだまだ現役だ。

ローマ時代からの儀式だから、もうキリスト教とは分けられない。

これが日本でキリスト教的なものを一般に広げたのだろう。
ミッション系の大学、というのが一般の人たちにすっくり受け入れられる下地を作った。
大学だけではない。幼稚園や小中学校もある。
布教を目的として作っても、日本人はキリスト教には入らない。
でも、キリスト教的な部分はクリスマスを通じて、仏教よりも神道よりも広まったと思う。

結局、クリスマスはキリスト教のキラーコンテンツだったのだ。

仏教にとってのキラーコンテンツが葬式であるように…。




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