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2020.07.24 Friday
メッセージ
学生の就職支援の仕事をしていると、年に1回くらいはお礼のメッセージを貰うことがある。
こないだも書いてくれた学生がいた。 その学生とはわりと本音の話もしたし、社会の表側だけでなく、裏側の話もした。 親が聞いたら、文句を言うかもしれないレベルの話もした。 もちろん、そういう話が必要だと思ったからだ。 就活して、頑張って、内定がもらえず、初めての挫折体験をした。 真面目な学生だったので、だいぶ落ち込んだと思うが、見事に復活し3つの内定をほぼ同時にもらった。 内定先を選ぶときに、一番向いていると思った内定先を選んだので、ちゃんと自分の価値観ができているんだと思った。 今の日本の文系の就活は学生に無理を強いている部分が大きい。 大学で学んだことはほとんど問われない。 ポテンシャル、と称して人物を見る、ということになっている。 求人も全学部全学科で、誰でもどこでも名目上はエントリーできる。 でも、実際には学歴フィルターがあったり、当たり前だが面接だから主観的評価で決まる。 客観的テストはあるが、性格テストも併用されていて、結果も示されない。 何で自分が選ばれたり、選ばれなかったりするのか、わからない。 まして、働いたこともないのに、なぜこの業界がいいのか、なぜこの会社がいいのか聞かれる。 志望動機と言うやつだ。 それを聞いて、ちゃんと思い通りの部署に行かせてくれるとは限らないし、またその思い入れが合っているという保証もない。 でも、熱意を測るという意味で、それを聞くのが今の就活。 そんなの、意味がないから聞いても仕方がないという会社もあるにはあるが、ごく少ない。 今の50代以上はそんなことを聞かれずに入社しているはずだが、それでも人事担当になれば、判断基準にしているのだろう。 その学生は一応は会社のことは調べるが、自分は本当に働いたこともなく、だから自分が調べたことは話すが、そこに熱意など見えなかった。 理由を聞くと、働いたこともないのに、そんなふうには話せない、という。 それはそうだが…、と言葉が詰まった。 全くの正論だと思うが、今の就活の考え方を話し、そこに熱意を込めないとなかなか通らないという話をした。 もちろん、昭和50年代のぼくらはそんなことは聞かれなかったし、ぼく自身も当時そんなことを聞かれたら、君と同じ意見だったろうということも話した。 それだけ真面目に取り組んでいる学生にウソはつけない。 まあ、やってみるわ、ということで新たなところを受け、そこで内定を3つもらった。 大根役者のはずが、主演女優賞ものや、というメッセージだった。 こちらが本音で話したから、やる気になったのだろう。 そういうことがあるから、この仕事はやめられない。 |
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