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2020.07.19 Sunday
高橋泰教授
「新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ」という記事を読んだ。
この記事で、初めて日本の重症化率や死亡率が低い理由を説明してもらった。 なぜ欧米の1/100なのか、ということだ。 今までの「専門家」たちはそのことにほとんど触れず、何万人死ぬという話ばかりだった。 マスコミもそれに乗って、煽るばかり。 この先生の話によると、今発表された感染者数は、あくまでもPCR検査で判明した「PCR陽性者判明数」であり、正確には「感染者数」ではないし、もちろん「発症者数」でもないという。 特に、若年者の場合、PCR陽性者が発症する可能性は低く、多くが無症状、軽微な症状で治る。 また、「数十万人が死ぬ」という予測は、コロナウィルスについての前提が間違っているという。 一般的に病原体が身体に入ると、まず貪食細胞(マクロファージ)などを中心とする自然免疫が働き、数日かかって獲得免疫が動き出して、抗体ができる。 先生は日本人がほとんど抗体ができていないことから、自然免疫の段階でコロナウィルスが排除されていると考えている。 インフルエンザと違って、毒性が弱いから、獲得免疫がなかなか立ち上がらない、ということだ。 これはアメリカの医師会雑誌に発表されている。 記事によると、 「私の研究チームはこの現象を、新型コロナは毒性が弱いため、生体が抗体を出すほどの外敵ではなく自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、「なかなか獲得免疫が動き出さないが、その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」という仮説を立てた。」 つまり、コロナウィルスはインフルエンザと違って、身体に入っても毒性が弱くて、身体が治癒してしまうということだ。 これなら、昨シーズン3000人が死んだインフルエンザに比べて、コロナの1000人というのがちゃんと説明できる。 今までの「専門家」はそういう比較で全く語らなかった。 そこで、この先生は、事実をもとに、全体像が見渡せ、かつ数値化できる「感染7段階モデル」を初めて作った。 「新型コロナの患者数を予測するために使えるデータが現状では非常に限られる。かかった人の重症化率や死亡率という最も基本的なデータすらない。 新型コロナの全体像を把握するためには、全国の暴露者数を推計することが大切なので、?全国民1億2644万人、?年代別患者数の実数値、?抗体陽性率推計値(東京大学の推計と神戸市民病院の推計)を使って、パラメータである暴露率(新型コロナが体内に入る率)をいくつか設定し、動かしながら、実際の重症者や死亡者のデータに当てはまりのよいものを探るシミュレーションを行った。」 詳細は記事を見てもらえばいいが、それによると、まず、国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露(ウィルスが身体に入るということ)を経験したとみられる。 つまりステージ0として、コロナにかかっていない人が国民の7割と推定した。 そして、暴露した3割の人の98%がステージ1かステージ2、すなわち無症状か風邪の症状で済む。すなわち自然免疫までで終了している、というモデルだ。 今の検査結果で陽性の人がほとんど無症状というのも、これで説明できる。 獲得免疫が出動(抗体が陽性になる)するステージ3、ステージ4に至る人は暴露者の2%程度。 そのうち、サイトカイン・ストームが発生して重症化するステージ5に進む人は、20代では暴露した人10万人中5人、30〜59歳では同1万人中3人、60〜69歳では同1000人中1.5人、70歳以上では同1000人中3人程度ということになった。 このモデルは現実に合わせて、重症化率等を決めている。 つまり、ウィルスにかかっても(暴露しても)98%は自然免疫で治るということだ。 今までの騒ぎは忘れたほうがいい、ということだろう。 そして、ずっと疑問だった死者数が欧米の1/100ということに関しても、推定している。 第1に重症化しやすい「高齢者の暴露率」が低かったのではないか、ということ。 第2に、自然免疫で治る人の比率が欧米より日本人(アジア人)のほうが高く、その結果「軽症以上の発症比率」が低くなるが、抗体陽性率も低くなる。 自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いとみている。 第3は、「発症者死亡率」。日本は欧米に比べて低いと考えられる。その理由としては、欧米人に比べて血栓ができにくいらしい。そのため、サイトカイン・ストームが起きても、日本のほうが重症化する可能性が低いと考えられる。 「他の条件は変わらないという前提で、このような数字を設定すると、10万人当たり日本の死亡者は0.9人、ベルギーの死亡者は82人となり、現在の実態とほぼ一致する。「暴露率、軽症以上の発症比率、発症者死亡率の数字の設定はもちろん仮説的なものであり信頼性は低い。だが、全部の数字を掛けたり足したりして求められる日本の死亡率が、欧米の死亡率の100分の1になる必要があるので、3要因のいずれか、またはすべてにおいて、日本が欧米に大きく勝っていることは間違いない。」 そういう前提で、リスクを考えた対策を言っている。 「30歳未満では重症化リスクは限りなくゼロに近いのに、対面授業を行わないとかスポーツをさせないというのは誤った政策だと思う。対面での教育が行われず、オンライン教育のみにすることの弊害のほうがずっと大きい。平常に戻すべきだ。そして、そこで学生からPCR陽性者が出てもマスコミが騒がないことが重要だ。明らかな症状が複数の学生に現われる集団発生が起きてはじめて、報道を行い学級閉鎖を行えばいいのではないだろうか。 30〜59歳も通常の経済活動を行ってよいはずだ。罹患した場合は症状に応じて自宅待機などを行い、集団発生すれば職場の閉鎖をすればよい。70歳以上の高齢者は流行している間は隔離的な生活を維持せざるをえないだろう。何度も言うが、感染リスクはある。しかし、2%未満の重症化リスクを減らせばいい。」 これらの推定から、第二波についても、 「日本は強力なロックダウンを実施しておらず、新型コロナに暴露した人が欧米より極端に少ないとは考えにくい。むしろ先に述べた「これまで多くの人が新型コロナにすでに感染しているが、自然免疫でほとんどの人が治っている」という仮説に立って、抗体ができる前に治っているので、抗体陽性者が少ないと考えるほうが自然であろう。 この仮説を用いれば、無症状のPCR陽性者が数多く発生している現状の説明もできる。第2波が来ても、自然免疫の強さは日本人にとって強い助けとなり、再び欧米より被害が軽くなるという考え方が成り立つ。」 この先生はちゃんと事実に基づいて考えているのが、今までの「専門家」とは違う。 彼こそ本当の専門家だ。 ぼくはこの先生を支持する。 新しい生活様式など破棄して、事実に基づくこの先生に従うべきだと思う。 |
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