考えたこと2

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地銀の将来
最近日経やネットメディアを見ていると、地方銀行の将来は大変だという記事が多い。
なかには構造不況業種だというものもある。
預貯金が集まらないからではないだろう。
日銀が大幅な緩和をして、どちらかというと、お金は余っている。
だから、どんどん貯まっていくのだ。

企業の業績はいいらしい。
でも、企業が借りた金には利子はあまりつかない。
預けてもゼロに近い金利だから、貸すときの利率も下がっている。
だから、国内の融資先がベースになっている地方銀行は儲からない。

昨年来、ニュースになっているのが地方銀行の再編。
資金力をつけようということだ。
お金はグローバルに動いているのに、県単位でやっていたらダメに決まっている。
いくら再編しても、メガバンクには勝てないし、焼け石に水というところだろう。

就職でいえば、銀行は安定している、という意識で文系学生の志望は高かった。
ぼくは不思議だったのだが、文系の大学のなかには「金融」が一番の就職先という先入観みたいなものが感じられた。
だから、優秀な学生からまずメガバンク、次いで地銀という感じで就職していく。
下位の大学は地銀か信金だ。

山本夏彦が、銀行員を「金貸し」と言い、人の金を右から左に動かして儲けているやくざな商売ということを言っていたが、ぼくもその通りだと思っていた。
なんで、そんなところに優秀な若者が行くのか、という感じ。
去年からは、それは様変わりしたが…。

まだメガバンクは優秀な人材が行っているが、地銀はそこからランクが落ちるので、どちらかというと安定を求め、ぬくぬくと生きていきたいというタイプの人たちが多いと思う。
そういう姿勢の人が多いのに、これからの地銀はどうやって儲けていくのだろうか。
新たな融資先を求めて、どこかのテレビ番組のようなことをしないといけない。
ぼくはそんなの無理だと思う。

先進国の利率はどんどん下がっている。
それは歴史の必然でもあるのだろう。
地銀は国内という限られたパイの中で、どうやって利益を生む融資先を見つけるか、あるいは育てていくかという戦いをしないといけない。
今までの担保主義ではとても無理だ。

おまけに、クラウドファンディングなどというインターネットを通じた資金調達の仕組みもできてきた。
個人が集まって、アイデアさえあればお金を集めることができる。
銀行など要らないのだ。
ここでもインターネットによる破壊が起こる。
個人と個人を結びつけることで、銀行という仲介の仕事は要らないのだ。

とどめに、マイナス金利でお金を持っているだけなら損をする時代。
そもそも今の銀行が存在する価値があるのか、という問いをつきつけられている。

安定を求めて入った人たちが、これからもっとも不安定になる、という皮肉。

あと10年、20年…、地銀はどうなっているのだろう。


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