考えたこと2

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ブラックユーモア
アメリカのソニー・ピクチャーズ・エンタテイメントがハッカーの攻撃を受けたニュース。
エライコッチャなあと思う。
理由は「インタビュー」という映画にある。

この映画、北朝鮮のリーダーを暗殺するよう指令されたCIAの2人組の活躍?を描くコメディ。
かなりブラックなコメディ映画に仕上がっているようだ。
昨日の時点で、ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメントは上映の中止を決めたとのこと。

どういう意図で北朝鮮のコメディを作ったかは問題ではない、というのが自由の国アメリカでの主張だろう。
実際、オバマ大統領もソニー・ピクチャーズ・エンタテイメントのサイバーテロ被害に同情を示しながらも、その措置は間違いだった、と言っている。
こうなったら、映画の質は問題ではない。
アメリカの企業が、北朝鮮のハッカーに屈したという事実が問題なのだ。
表現の自由を侵されたということだ。

一方で、アメリカの映画関係者で「インタビュー」という映画を見て、観客の質が落ち、映画の質も落ちてしまった、という批評家もいる。
実際の内容としては、けっこうレベルが低い、ということかな。

今となっては問題にはならないだろうが…。

日本なら、どうなっていただろうか。
そもそも、北朝鮮のリーダーをからかったコメディを作る、という発想自体がなかったような気がする。
そんなことをしたら、世間からヒンシュクを買うだろう、という経営判断はある。
そんな文化がないということだ。
ドキュメンタリーなら作るだろうが、ブラックユーモアで北朝鮮を描くというのは、選択肢にないと思う。

70年代、モンティ・パイソンというイギリスの番組があった。
これもすごく際どい、シュールなブラックユーモアを扱っていたと思う。
ブラックユーモアはイギリス発祥のものだと思う。
全ての権威を笑い飛ばす、風刺よりももっと強いものがブラックユーモア。
イギリスの皇室もネタにされていたと思う。 
日本ならおそらくバッシングものだったろう。

70年代にテレビで見たが、その後ブラックユーモアというものは日本に根づいたという感じはない。
ちょっと、わからんなあ、というリアクションが日本人の平均だと思う。
だから、「インタビュー」みたいな番組を作ろうという発想はない。
作ったら、悪ふざけもいい加減にしなさい、というようなことになって、放送中止になっていただろう。

今の子どもたちを見ていると、中国や韓国を嫌っている人が多い。(子どもだけではないが…)
こういう時こそ、ブラックユーモアを解する人を育てないといけないと思う。
正面から批判するだけではなくて、いろんな方向から風刺するということも必要だ。
風刺という、ちょっと心に余裕をもった、遊びの心も必要ということだろう。
この「心の余裕」というのが、批判する側にも、批判される側にも必要になる。
そうでないと、今の韓国や中国との関係のように、すぐに怒りになってしまう。

しかし、これは両刃の剣でもある。
それを風刺と思わない人たちにとっては、悪意としかとられない。

でも、日本がアメリカの影響を受けてここまで来てしまったら、このまま西洋のオトナの国になる方がいいと思う。

それが日本に与えられた、浮世を過ごす方策だと思うのだが…。 


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