考えたこと2

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山水の破産
山水電気といえば、中高年のオーディオファンなら知っている名前。

ぼくの家にもあった。
チューナーが丸いメーターになっているのが特徴だった。
70年代はSansuiのアンプ、レシーバーといえばなかなかのものだった。
でも、80年代の半ばに調子が悪くなった。
英国資本に買収され、香港資本に変わり、2001年からは自社の生産拠点がなくなり、アフターサービスがメインの会社になったらしい。
そして、2014年7月に破産申請ということだ。

日経の記事によると、「音響・映像機器の老舗メーカーだった山水電気が7月9日に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けていたことが16日分かった。負債総額は約3億5000万円。1947年設立の山水はかつてパイオニア、トリオ(現・JVCケンウッド)とともに「オーディオ御三家」と呼ばれていた。」とある。

そういえば、そうだった。
家電メーカーもそれぞれオーディオブランドを持っていた時期。
ナショナルはテクニクス、日立はローディ、サンヨーはオットー、三菱はダイヤトーンなどだ。
まだまだ日本のオーディオにカリスマがあった時期。
東南アジアで生産する日が来るとは夢にも思っていなかった。
黄金の70年代と言ってもいいと思う。

ぼくは中高生のころ、新製品が発表されたら三宮に行ってカタログを集めていた。
タダできれいなカタログをもらって、隅から隅まで読んで、勉強させてもらった。
S/N比やダイナミックレンジというような言葉は、カタログで覚えた。

かつての御三家のトリオはアマチュア無線の無線機で有名だった。
だから、チューナーが強かった。
これも2008年に日本ビクターの傘下に入り、今はケンウッドになっている。

パイオニアはスピーカーの会社だった。
ここはずっと頑張っていた。一時はオーディオだけでなく、電話やパソコンも作った。
でも、今ではどんどん事業売却し、DJ機器に強みがあるらしい。
ぼくもパイオニアのベルトドライブのレコードプレーヤーを長いこと使っていた。
留守番電話も使っていたことがあるなあ。

これらの3社は日本のオーディオの栄枯盛衰を表している会社だと思う。

みんな栄華を極め、山水のように破産してしまった会社もあるし、状況に応じて変化して生き残っているところもある。
でも、かつての栄華を考えると、ちょっと寂しい。

家電製品の中でもオーディオというのは、70年代から80年代にかけて、カリスマ性を持っていた。
アナログの粋を集めて作られた製品だったと思う。

デジタルのCDが出たのが1982年。
これはまだ一部の回路がデジタルになっただけで、基本はアナログだった。

でも、90年代にパソコンでCDの再生ができるようになった頃から怪しくなった。
再生できるということは、コピーできるということになる。
それがMDになり、今やビットデーターになった。
それとともに、パソコンとの垣根が低くなり、今や無線でのデーター通信などの仕組みがアンプに組み込まれている。
元がデジタルデーターだから、必然的な動きだろう。
パソコンの生産は、激烈な競争によって、台湾や中国に移転しているから、日本では苦しいということになる。

それと90年代にバブルが崩壊して不況になったのは痛かった。
家電業界の海外生産移転もこの時期に進んだのだと思う。

今や家電はデジタル化され、ポータブルプレーヤーやスマートフォンがその中心に座ろうとしている。
それらで日本製で頑張っているのはソニーくらいだ。

全体に小さくて安くなったが、音は良くなったと思う。
あくまでも、値段の割には、ということだが…。

山水の破産は、ぼくの中ではけっこう大ニュースだった。
残念だ。

これがウチにあったレシーバーだと思う。
懐かしい。


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