考えたこと2

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三屋清左衛門残日録
前に一度書いた、北大路欣也のはまり役。
そのドラマを見た。藤沢周平の原作。
この人は年をとって、時代劇の主役が本当にしっくり来るようになった。
御年74歳。
とても74歳には見えない。
まだまだ現役で頑張れそうに見える。
実際、原作の役の上では52歳。
メイキングの場面では、年に一度の撮影が終わって、いいスタッフに恵まれて感謝する、と言って涙を流していた。
自分と三屋清左衛門が重なるんだろう。

清左衛門は、もう隠居して家を息子に譲った身だ。
それでも、上の信頼が厚く、藩のお家騒動に巻き込まれ、老骨に鞭打って働いてしまう。
そんな身の上を生きている。
そのドラマの最新版を見た。

前回のドラマが完結編だったが、今回のドラマはその前の時間を描くもの。
今回は殺陣も少なく、淡々とした友との交わりがテーマだった。
出て来る俳優がみんな70代。
ドラマも高齢化している。

友の中には若い頃に家柄の違う家に婿に行って、子どもが出来てからは冷遇され、みんなの見ている前で切腹して死んだものもいる。
彼は久しぶりの幼なじみの宴会に出て、本当に楽しかった、と挨拶をして帰った直後だった。
あれはみんなにお別れをしたのか、と清左衛門は思う。

また、32年前に試合に負けて、ずっと諸国を修行し、32年ぶりに帰ってきて当時の相手に立ち合いを挑み、また負けて去っていく友もいる。
刀を置いて去っていく彼を追いかけ、32年頑張ったのだからまだ頑張れる、と言って故郷に戻ることを説得するが、行ってしまう。

人生はいろいろだ。

それでも生きていく。
まだまだ死ぬには遠い。

「日残りて昏るるに未だ遠し」

人生が終わるのは、まだ先だ。

若い頃は時代小説といえば、司馬遼太郎のように格調高いものとか、池波正太郎や柴田錬三郎のようにもっと娯楽性の高いものが良かったが、年をとると藤沢周平の良さがわかる。

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