考えたこと2

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文化部の衰退2
夏の高校野球が始まり、ある種お祭り騒ぎの状態になるが、その裏で野球部員が減っているという記事を見た。
それ自体は子供の数が減っているのだから仕方がないと思う。
サッカーという強力なライバルが現れたのだから、よけいのことだ。
高野連は、1校では9人揃わないので、いくつかの学校が集まって試合に出るというのも全面的に認めているらしい。
女子部員もベンチ入りできるようになったし。

そんなわけで、特に子どもの少ない地方では、全国から野球をやりたい生徒を集めてくる私学しか勝てなくなってきている。
そもそも野球部員がいない高校が増えてくると、県外からの留学を認めたツケがそういう形で出てくる。
そうなると、地方の野球有力校の方が圧倒的に甲子園に出られる確率が上がるので、どうしても甲子園に出たいと思う生徒で、親にお金があれば行くことになる。
中学の野球リーグとそういう高校が結びついて、すでにルートもできていると聞く。
それ自体は、ルールの中でやっているのだから、悪いことでも何でもない。
裏ではお金が動いているような気もするが…。
そのおかげで、最近は優勝旗が行く県が増えた。
ただ、募集の問題で、高校野球で有名になりたいという私学を助けている面はあるだろうが…。

ぼくは少子化の影響で、野球部が衰退しても仕方ないと思う。
それよりも、文化部の衰退が記事ならないことを憂う。
何度も書くが、「コクリコ坂から」というという映画の中に、昭和の高校生の豊かな文化部が描かれていた。
この映画は、古き良き文科系のクラブへのオマージュだ。
授業はサボるものではなく、「エスケープ」するものだった。
そんな文化があった。
ぼくらの世代より少し前だ。
そういう言葉だけは知っている。
ぼくらの世代でも、潰れかけていたとはいえ、たくさんの文化部があった。

今の高校生を見ていると、そういう多様なクラブ活動などあるのかと思う。
運動部が主体で、文化系のクラブというとブラスバンド、コーラスなどの団体競技など。
大学生に高校時代のクラブ活動を聞いても、それら以外のクラブ名で出てくるのは女子の美術部や茶道部くらいだ。
新聞部や弁論部、文芸部、物象部、化学部、鉄道部などの名前は聞いたことがない。
少子化に伴なって生徒が減る前に、そういうクラブは減っていたのではないか。

それはとりもなおさず、高校の先生が一様化したということの現われだろうと思う。
指導する先生がいなくなった。
今、クラブ活動で残業が取り沙汰されているが、文化系のクラブなどどちらかというとほったらかしだった。
文化祭の時などに相談に乗ってもらう程度だったのではないか。
程度の差こそあれ、何かに興味を持つ生徒が放課後集まる場所になっていたのだと思う。
それがなくなった。
当時の高校生の文化的レベルがそんなに高かったとは思わないが、文化的に背伸びをしている生徒たちは今よりも多かったと思う。
高校生はもっと大人だった。

もちろん、貧困化の影響はある。
文化部が衰退した分は、高校生アルバイトが増えて吸収しているのかもしれない。

企業では多様性のある学生が欲しいと言っているが、確実に高校のクラブ活動を見ていると、一様化した。
その原因は先生が一様化したからだと思う。
悪くいえば、脳ミソが筋肉の先生が増えたのだろう。

この問題は根が深い。


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