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2017.08.07 Monday
第四の権力
南米かどこかからヒアリというのが来て、ちょっとしたニュースになった。
昆虫もグローバル化の影響を受けて、いろんなところに出没するようになった。 船積のコンテナに入って、長い船旅をして来るのだから、生命力は強いんだろう。 毒性があるらしく、噛まれたら痛いとのこと。 刺された人の記事によると、クラゲに刺されたような痛みだったとのこと。 噛まれたら、最悪の場合はショック状態になる場合もあるが、それは環境省によると1〜2%。 適切な処置をすれば死亡は防げる。 ネットによると、蜂に刺されたことがある人は要注意(アナフィラキシーショックを起こすから)という記事もあった。 南米が原産だが、フロリダやテキサス、中国、オーストラリア、東南アジアあたりにもたくさんいるとのこと。 温暖化も伴って、どんどん勢力を拡大している。 スズメバチ科のアリで、毒もそれに近いらしい。 もちろん、防疫の観点から担当の役所には頑張ってもらいたい。 しかし、最近のマスコミを見ていると、報道に冷静さを欠くような気がする。 事実を伝えるのはもちろんだが、どう伝えるべきかという「編集」の観点はないのだろうか。 恐がることを煽るよりも、正しく恐がるべきだ。 今の日本、マスコミも含めて平和ボケしているから、セアカコケグモの時もわりとセンセーショナルなニュースになった。 もっと冷静に、噛まれたらどうしたらいいのか、日本のアリを間違えて殺さないようにとか、科学的に説明するメディアはないのだろうか。 死亡の原因はアナフィラキシーショックであり、どういう点に注意しないといけないとか、そういう報道はなく、あの拡大されたアリのスライドが映される。 大きくても6ミリらしいから、あの画面に拡大されたものにはスケールを入れるべきだ。 それよりももっと恐がらないといけないことがあるのではないか。 財政の問題など、もっと報道しないといけないのではないか。 そういうまともな視点のマスコミがなくなったような気がする。 大衆の娯楽だったテレビは、若い人たちをYoutubeに取られて、年寄りの娯楽になった。 必然的にニュースも年寄り向けになる。 本来はワイドショーなどは、ネットで情報が取れない人たちに、世の中の情報を与える役割だと思うが、井戸端会議の域を出ない。 情報弱者=高齢者であり、その人たちにもっと数値に基づいた、科学的な知識を与えないといけない。 ヒアリの場合なら、死亡率は1〜2%という数字だ。 今の財政の問題を語ろうとすると、どうしても高齢者には耳に痛い話になる。 でも、それを敢えてしないから、今の状態になった。 8月から保険が変わるというニュースの裏側に、どれだけの債務があって、それは将来世代の負担になっているとか、若い人は社会保障の負担がどんどん大きくなっていっているとか、そういうことは伝わらない。 これでは「ペンは第四の権力」ということにはならないぞ。 |
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