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2015.10.21 Wednesday
野球文学
アメリカには野球文学がある。
何冊か読んだが、野球を愛する人が取材をベースに書いており、必ずしもメジャーリーグなどの経験者ではない。 日本では、高校野球を題材にしたり、野球を舞台にした小説はあるが、実名のプロ野球選手やチームを扱ったノンフィクションの文学というのはない。 小さい頃からの野球ファンで、特定のチームを贔屓にはするものの、いい選手がいたら素直に褒め、取材し、その野球哲学を描いたりする、というような作品だ。 アメリカには、メジャーリーグを扱ったノンフィクション、というジャンルが確かにある。 そういうのを読むと、野球はアメリカの国技なんだなあと思う。 日経の電子版に、オリックスからメジャーに行った田口壮という人が、イチローやメジャーリーグについて書いている。 読んでいて、この人は頭がいいし、文章もうまいと思う。 こないだは、今季のイチローが42歳を迎えてマーリンズと早々に再契約をした、という記事を書いているが、さすがにメジャー経験者であり、よくわかる記事だ。 何より、日本でよくある精神論や自分の経験に基づく話ではでなく、報道や事実を積み重ねて誰にでもわかるように書くという、ライターとしての資質があると思う。 残念ながら、田口は評論家活動に一区切りをつけ、来季はオリックスの二軍監督としてユニフォームを着るとのこと。 来年は舞台を国内に移して、内部からのレポートということらしい。 どうしてもリーグの内部に入ってしまうと、書く内容は制限されるし、二足のわらじでどうなるのかはわからない。 ひょっとしたら、将来の一軍監督という線もあるかもしれない。 でも、ぼくは田口にはユニフォームを脱いで、野球を外から見て、ノンフィクションの野球文学に挑戦してほしいと思う。 舞台はやっぱりメジャーだろうなあ。 |
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