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2015.10.14 Wednesday
CO2かNOxか
フォルクスワーゲンの排ガス規制操作の件で、その関係のニュースが多い。
それを見ていると、欧州とアメリカの違いがはっきりしてきた。 欧州はどちらかというと燃費を重視している。 より少ないガソリンで長距離を走りたい。 そうすれば、CO2が少なくて済む。 地球温暖化を防止したいということだろう。 一方、アメリカ、特に西海岸のロス・アンジェルスは排気ガスの浄化が第一だ。 とにかく、排ガスをきれいにしないといけない。特に今回問題になったのは、NOx(窒素酸化物)だ。 過去に深刻な大気汚染の問題があったからだ。 つまり、燃費か排ガスか、という違いがある。 ニュースでは、それはなぜか、ということを解説していた。 欧州は緯度が高くて日光が弱く、光化学スモッグなどがあまり気にならない。 だから、燃費やCO2の排出量が気になる。 一方、西海岸は日光が強く、光化学スモッグの問題がある。だから排気中の汚染物質が問題になる。 地政学的な違いがあるのだ。 これらの違いが、遠因になっているとのこと。 今回はフォルクスワーゲンの不正なエンジンマネジメントソフトが問題になったが、以前から欧州メーカーにとってはアメリカの排ガス規制は、それ自体が車を売る上で目の上のコブだったのだろう。 そこに日本のハイブリッド車が出てきて、排ガス規制をクリアした。燃費もいい。 だから、焦りがあった、というのがニュースで言われている。 あんなことをするからには、けっこう深い問題があったということだ。 特に小型のディーゼルが問題になった。 これは必然だと言える。 これでディーゼルエンジンが風評被害を受けるのではないかと言われている。 そのため、欧州勢のBMWやメルセデスはいち早く「うちは大丈夫」というメッセージを出した。 もともと高級車だから、対策している。 日本ではマツダがクリーンディーゼル車を売って調子が良かった。 これがどうなるか、というところだ。 いずれのカーメーカーも、燃費の良いディーゼルとクリーンな排気のガソリンのいいとこ取りしたエンジンを開発しようと、開発競争をしている。 同時に、モーターだけの電気自動車もやっているし、自動化の技術なども開発しないといけない。 膨大な開発費を賄おうとすると、これから技術提携やグループ化が増えてくるだろう。 まだまだ自動車業界は大変だ。 日本の技術力で頑張ってほしい。 |
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