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2015.02.13 Friday
究極のアクティブ・セーフティ
警察は高齢者の免許制度の改定をした。この1月だ。
高速道路の逆走などが増えているから、それはやったほうがいいだろう。 以前から、75歳を超えると、講習予備検査が義務付けられている。 認知症を確認するのだ。 今までは、この検査で、「認知症のおそれがある」となった場合でも、免許の更新は可能だった。 でも、今回の改正によって、「認知症のおそれがある」という評価になった場合は、医師の診断を義務付け、認知症と診断されれば免許取り消しにする、ということになった。 やむを得ないだろうなあ。 ぼくらはまだ認知症の年齢ではないから、そう思える。 でも、実際にあと十数年たって、免許の更新の時にそういうことになったら、ショックだと思う。 ぼくは21の時に四輪の免許をとった。 もう35年以上、運転してきた。 運転には、意外と頭がいる。 いろんな高度な判断をして、ようやく普通に走れる。 交差点では、左右からクルマが来ているかどうか、車線変更するときには、後ろから車が来ているかどうか、前のクルマがブレーキを踏んだ時に、いつブレーキを踏むか、それともハンドルで回避するか、歩行者や自転車がいるときには、その動きを予測してよけるなど、結構頭を使っている。 若い時は当たり前にできる。 でも、年をとって、それができるかどうか…。 1つのことならできるが、一度に2つのことが重なったら、素早くできなくなったりする。 今は免許取り立ての次男に、助手席から指示しているが、これが逆になる日が来る。 早死しない限り、必ず来るだろう。 統計によると、75歳以上の免許保持者は約425万人で、そのうち約27万〜70万人が認知症と推定されるらしい。 この人数の幅はどこで認知症の線を引くか、ということでばらつきがあるのだが、最低でも27万人はほぼ認知症である、ということだろう。 そのうち、運転をしている人がどれくらいいるかはわからないが…。 自分で自分のやっていることが分からなくなるのが、一番怖い。 要は、自分では何の問題もないと思っていて、実際には問題がある場合。 人が見ていて、アブナイと思うようなケース。 クルマの方は、いろんな安全装備がつき始めている。 以前あったような、アクセルとブレーキを間違えて踏んで誤発進というような事故は未然に防げる。 しかし、それが防げるだけでは、ダメだろう。 クルマが人工知能を持っていて、そういうことが度重なれば「もう運転しないほうがいいですよ」と言ってくれたりすると、いいだろう。 これぞアクティブ・セーフティの極致だ。 クルマが、運転をやめるように言う。 もうすぐそういう時代になるだろうなあ。 |
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