考えたこと2

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地方分権から地方創生
地方分権という言葉が長らく使われていたが、それが地方創生に変わりつつある、という記事を読んだ。
地方分権という言葉は、地方自治体の自由になるお金を増やして、その地域にあった政策をやろう、というような意味だと思う。
知らなかったが、2000年に地方分権一括法というのができて、法律的にも国と地方は対等な関係になったらしい。

しかし、少子化によって、2040年には全国1800自治体の半分が存続できなくなる可能性がある、という声も出てきた。
そこで、今年の統一地方選挙の対策で出されたのが、「地方創生」らしい。

2001年度から2010年度までの統計では、大阪、東北(青森除く)、北陸(福井除く)、四国(徳島除く)、北海道は名目成長率で負け組になっている。
大阪を除くと、もろに地方は苦しいということだ。
商店街はシャッターが降りているし、若い人は減るし、どうしようもない、ということだろう。

そんな中で、鳥取県の国に対する要望を見ると、「国からの交付金を増やせ」「人が(鳥取に)移住するようにせよ」「交通インフラ整備の公共事業」だという。
小泉政権での地方分権改革では、「地方への財源移譲」「特区による規制緩和」「公共事業削減」だったから、全く反対のことを要望しているわけだ。

野々村議員の号泣会見に代表される、地方の議会の状況や、何十年も同じようにやっている地方公務員試験の状況をみると、国が地方に任せておけないという気持ちもわかる。

勝ち組の1つ、徳島県の事例が載っていたが、あの中村教授のいた日亜科学が徳島県にいた、ということが大きいらしい。
青色LEDが徳島を救ったということになるか。
そういえば、福井県もいろんな特色ある企業がいるので有名だなあ。
結局は儲かる企業をいかに誘致するかということであり、そのために特区を作って規制緩和をしなさい、ということだったんだろう。
鳥取も以前は三洋電機の工場があって、頑張っていたはず。
それもパナソニックとの合併で整理されてしまった。

しかし、地方創生という言葉を使っても、昔に戻ることはできないと思う。
高度成長の時代なら、国がお金をどんどん出して、公共事業でも何でもやって、地方は潤ったんだろう。
もうそんなことはできない。お金がないからだ。
時代は低成長だ。
そうでなくても、労働単価の安い国にどんどん製造業は流れていく(円安でちょっとはマシになったが)。
だから、特区で規制緩和で新たな知恵を、ということだったんだと思う。
なぜ地方ならではの知恵を考えないのだろうか。

例えば、鳥取県は大学が2校、短大が1校しかない。全部で6000人ほどだ。
公共事業にお金を使うくらいなら、学生の学費を補助してやったらいいのだ。
公共事業費が400億くらいだから、そのうちの1割弱の30億ほどで、学生一人あたり50万の補助ができる。
年間50万円を、県が入学者に学費補助する、というのは画期的だ。

そうすれば、優秀な学生が集まる。
大学も増える。
増えたら補助金も増えるが、学生が増えると落ちるお金もあるし、中には鳥取県に残ってくれる学生も出てきて、納税者が増えたりする。

そのほうが、人口が減って使うかどうかわからない道路工事にお金を使ったり、田舎に文化ホールを作ったりするよりも、よほど夢がある。
失敗してもかまわないではないかと、ぼくは思う。
どうせ、公共事業で生き延びたって、人がいなくなって自治体が存続しない未来が見えているのだから。
若い人を増やす政策を取らないといけない。

すでに大学がたくさんある都市部ではそんなことはできない。
動くお金が大きすぎるからだ。

これこそ、少子化に苦しんでいる地方ならではのお金の使い方。

そんな知恵を出さないと、地方は創生しない。

わかりきっていることだと思うのだが…。

そんなことを考える地方議員もいないし、そういう決断ができる首長もいないんだろう。

このままいったら、高い確率で消滅するのになぁ。





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