考えたこと2

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小林秀雄対話集
小林秀雄対話集 講談社文芸文庫

この対話集は昭和23年から昭和39年までの、小林秀雄の対話が含まれている。
今の言葉では対談ということになる。

対談相手は、坂口安吾、正宗白鳥、大岡昇平、永井龍男、三島由紀夫、田中美知太郎などの当時の作家や知識人。
小林秀雄はいくつか講演のCDを持っているので、どういう話をするのかは想像がつく。
でも、坂口安吾や正宗白鳥などの、今はなき大作家がどんなことを話しているのか、それが書かれているのは面白い。

坂口安吾と小林秀雄が顔見知りだったことや、文学論を話しているところなど、想像もできなかった。
小林秀雄が骨董に熱中して、2年ほど原稿を書かなかったということも初めて知った。

坂口安吾が対談でこんな事を言っている。

「僕はね、人間の世界というものは自由な世界じゃないと思うんだ。ほんとうの自由ということは、自由をどう料理するかというようなものじゃない。芸術なんていうものは、いかに自由を自分で料理するということが不可能であるか、それを判らせてくれる仕掛けみたいなものだ。自由を与えられれば与えられるほど生きるのはつらいんだよ。縛られれば縛られるほど生きるのはやさしいんだよ。ほんとうに自分で芸術を自由に作ってゆく世界というものは、誰の力にもないよ。小林さんの評論にだってないし、また小林さんは、そこのところをよく知る人だと思うのだ。小林さんは無理に自分を縛ろう、縛ろうとしてるんじゃないですか。立場を不自由にしようと心掛けてるんじゃないですか。」

坂口安吾がこんな事を言うというのもビックリだし、坂口安吾と小林秀雄がこんな対談をするということもビックリだった。
彼らは文壇の友だちだったのだ。
この対談が昭和23年。

昭和23年の文学雑誌にはこんな対談がでていたということだ。

今年のセンター試験の国語は、小林秀雄の文章が出て、平均点が下がったらしい。
ぼくらの頃はよく出たのだが、最近は減っていた。
高校時代は全くわけがわからなかった。

「美しい花がある。花の美しさという様なものはない。」

そんな難しいことをいわれても…、という感じ。

文庫だが、値段は1400円もした。
それなりの内容、それなりの値段。
内容は難しい。

それにしても、こんな難しい内容をみんなわかっていたのかと思うと、日本人はかしこかったんだと思う。

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