考えたこと2

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研修
金曜日は研修に行った。

以前行った論理コミュニケーションの研修。
その続編だった。

論理的に読むということが目標。
しかし、論理的に読むことは、論理的に聞くことでもあり、それを教えるのは難しい。
そのために、書くことから始める。

「文章=意見+根拠+事例+その他」で成り立っている。
一番大事なのは、意見。何が言いたいのかということ。
その次になぜその意見が言えるか、という根拠、そしてそれを支える事例。
それらを省くと、残りはさして重要ではない。

それらを分けて考えることができるのが、「文章の設計図」。
設計図にしたがって、書いていく。

まず意見だ。与えられたテーマで、自分の意見を出す。いくつ出してもよい。
短い時間でたくさん出させる方が、よけいな考えが入らないし、独創的なものが出る可能性が高い。
だから、2分とか3分で10個というような数を目安にする。

次にそれらの意見に対して、根拠を出す。
「意見、なぜなら、根拠」、というパターンだ。
学校を面白くするには、というテーマに対して、参加型授業を増やす、という意見を出したとすると、その意見はどんな根拠があるか、ということになる。
参加型授業を増やす、なぜなら、生徒が積極的に関われるから、というように考える。
これを意見の一つ一つについて、考える。
そして、書けるものを洗い出す。

この時点で、もう一度意見を見る。
根拠が出せない意見は消す。
根拠が確かでたくさんある意見を2つ丸で囲み、その他は捨てる。

そこで、その根拠を補強する事例を考える。
今度は「根拠、たとえば、事例」というパターン。
同じようにいくつかの根拠に対して事例を書く。
中には事例のない根拠もあるが、それはそのままにしておく。

ここで全体をみて、2つの意見を1つに絞る。
より、確からしい、根拠や事例が出せたものにする。

次に一つ選んだ意見について、いくつかある根拠を2つくらいに分ける。
AとBというふうに、グルーピングして、その他は捨てる。
そして、そのAとBにそれぞれどんな意図で分けたかを書く。
これで、ほぼ完成。

あとは400字詰めの原稿用紙にその結果を写すだけ。
私は「テーマ」にたいして、「意見」と考える。
その根拠は大きく分けて二つある。
第一に「グループA」、第二に「グループB」。

こういう風にして文章の論理的な構造を理解する。
これをいくつもやって、意見、根拠、事例というパターンを身につける。

それを理解することで、はじめて論理的に読めるようになる。
もちろん、そのための練習もあるのだが、それはまた。

しかし、読むために書く、という発想の転換がすばらしい。
それだけ、読むことは難しいということだ。

ぼくは、読むことよりも書くことの方が難しいと思っていた。
しかし、実際には逆なのだ。
誰しも意見はある。
それらを根拠、事例で補強する。
論理的な文章は必ずそうなっている。

もちろん、文学などは別だ。
心を震わすような文章には、意見や根拠など関係ない。

しかし、ビジネスの世界で使われる文書や指示などは、論理的な構造を持っている。
それをどうやって伝え、どうやって聞くか。
その能力が今問われている。
この方法を作るに先立って行われた企業への調査によると、「論理的に考える」という項目が最も必要とされている、という結果が出たとのこと。

その力を伸ばす、そのことこそが企業で「即戦力」と言われる人を育てることになる。

そのための道のりは遠い。
ごく一部の高校で、このプログラムをやり始めたところ。
先生方にはなかなか理解されない。
文章の行間を読むことが大事だ、とか天声人語を写す方がよいとか、いろいろ言われるらしい。

しかし、こういう考え方はもっと紹介されるべきだ。
本当に論理的に考えるくせをつけるために、ぜひ必要だからだ。
「好きだから好き」「ダメだからダメ」…、こういうのは意見ではない。
意見には必ず根拠があって、それを補強する事例がある。
10年がかりで開発しただけのことはある。

開発した慶応大学はえらい。

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