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2012.10.10 Wednesday
メディア・リテラシー
この言葉も昔はなかった。
メディアは正しいことを報道するもの、という暗黙の了解があったのだと思う。 しかし、最近はメディア・リテラシーを持たないといけない、という。 世の中が簡単でなくなったからだろう。 もとより、世の中が簡単であったためしはないが、昔は誰もが認める対立軸があって、そのどちらかはっきりしていたらよかった。 東西対立は東がソ連、中国で、西がアメリカ、西欧。 南北の問題は先進国と発展途上国の問題。 国内では保守と革新。自民党と社会党だ。右派と左派とも言う。 資本家と労働者という対立もあった。会社と組合だ。 会社と消費者という軸もあった。強い会社と弱い消費者という図式だった。 これら全てのどちらかを選べばよかった。 新聞は大概弱いものの味方だったと思う。 東西では、ソ連、中国の味方の代表が朝日新聞。 左派の知識人と言われる人たちは、中国礼賛だった。 南北はあまり明確ではなかったと思う。 国内では、革新だ。朝日新聞は社会党びいきだった。 安保反対で、反自民。天皇制も反対だった。 労働者の味方であり、日教組も応援していた。 会社よりも消費者の味方だった。 グレーがなく、白か黒という選択。 すごくわかりやすかった。 しかし、時代は変わり、東西の壁は崩れた。 南北問題は経済問題になった。どんどん南が強くなる。 国内では保守も革新もなくなりつつある。 政策の違いがどこにあるのか、わからない。 みんな自己の保身だけが目的のように見える。 資本家と労働者というのも、相対的に資本家が弱くなった。 組合と会社が仲良くしないといけない。組合は非正規社員の敵になった。誰が一番弱いか、わからない。 そして極めつけは消費者が強くなったことだ。 消費者は神様になった。 何でも言ったもの勝ち…。 また、メディアも多様化した。 インターネットで記事がどんどん配信される。 新聞やテレビだけでなく、情報がどんどん出され、消費されていく時代。 こういう時代になったから、メディア・リテラシーが必要だ。 何が本当で、何が嘘か。 それを見極める目を持たないといけない。 今こそ、メディア・リテラシーを身につけないといけない。 |
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