考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< April 2025 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
人は金のみにて働くにあらず
心理学者エドワード・デシ教授の実験にこんなのがあるらしい。

 大学生に面白いパズルを解かす実験
 ・学生を2つのグループに分ける
 ・一つのグループには一つパズルが解けると1ドルの報酬を与えると約束し、もう片方のグループには何も言わない
 ・実験室に学生を一人ずつ入れ、パズルを解かせる
 ・制限時間13分のパズルを1時間に4問解かせ、それを3回繰り返す
 ・2回目と3回目の間に8分休憩を設け、自由にしてよい、と指示する
 ・自分は用があるからと言って部屋を出て、この休憩時間の行動をこっそり観察する。

アメリカの先生はこの手の実験が好きだ。

さて、何が起こったかというと…。

・ただパズルをやったグループは、休憩時間もパズルを解こうとして頑張った。
・1ドルもらえるグループの学生のほとんどが、雑誌を読んだり、他のことを始めた。

デシ教授は、これを1975年に発表した。
これはえらいことだと思う。

パズルをやる面白さを、報酬のお金が消してしまったということだ。
これを専門用語で言うと、お金をもらうという外発的動機が、パズル自体の面白さという内発的動機を壊してしまった、ということになる。

自分が面白いと思って、自発的にでもやろうと思っている状況が、仕事をやる場合でも理想的な状況といえるだろう。
そこにお金が絡むと、それ自体を壊してしまう…。
それほど、お金というものの動機づけは強い、ということになる。

だから、お金に動機づけられてしまうと、仕事それ自体の楽しみを奪ってしまうということになる。
それほどまでに、お金の力は強いということだ。

そうなると、徹底的にお金で動機づけをして仕事をすればいいではないか、という意見がでる。
それは真実なのだが、お金にはあまりにも強い魅力があるので、中毒になってしまい際限なくお金が必要になる。
だから、お金では動機づけは難しいということだ。

ただ、仕事の面白さ、というものの中には、自分が他人の役に立っているとか、自分の裁量である程度決められる、という感覚も必要になってくる。
そうでないと、動機づけにはなりにくい、ということだ。

こんなことを経営学者はやっているらしい。
これは、高橋信夫という経営学の教授の受け売り。

これらを元に、高橋先生は成果主義や年俸制に反対し、日本型の年功制に戻れ、と言った。

客観評価は大事だが、それは評価者が責任を放棄することにつながりかねないし、上司が部下を評価するということは、上司の責任であり、それは当たり前のことだ、という。

至極まともなリクツだと思う。

こういう事をもっと教えないといけないのではないか。

内発的動機づけというような専門用語ではなく、人間の持っている「性」として。


| | 考えたこと | 21:39 | comments(0) | trackbacks(0) |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://hdsnght1957kgkt.blog.bai.ne.jp/trackback/234815
トラックバック