考えたこと2

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戦争体験
こないだ、柴田錬三郎のことを書いた。

ぼくの中で、時代小説といえば、もう一人池波正太郎がいる。
こちらもだいぶ読んだ。
鬼平犯科帳、剣客商売、その他いろいろ…。

ほぼ同じ時代だが、柴田は1917年生まれ、池波は1923年生まれで、6年違う。
それによって、二人の戦争の体験が違う。

柴田錬三郎は、船で南方戦線に行く途中、敵襲に遭い撃沈され、7時間漂流し、奇跡的に助けられたという経験がある。
一方池波正太郎は、勤労訓練所に行った後、東京で旋盤工、岐阜の工場に転勤、ついに招集されたが結局内地で終戦となっている。

この体験の違いが、眠狂四郎と鬼平の差になっているのだと思う。

眠狂四郎のニヒリズム。
体制に組み込まれない一匹狼で、円月殺法というミステリアスな剣法を使う。

一方で、鬼平は火消し盗賊改という体制の長である。
たくさんの部下と密偵を率い、凶悪犯には容赦はしない。

柴田錬三郎は文化人としてテレビにも出演していたので、子供心に覚えている。
その雰囲気は、70年代くらいまでたくさんの文士や知識人が持っていたと思う。
反体制びいきであり、なんとなく退廃的な雰囲気を持っていた。
ぼくの勝手な想像だが、彼の戦争体験がそれの元になっているのではないか。

池波正太郎は、柴錬とは違った雰囲気。
もともと、テレビなどに出演しなかったので、はっきりしないが、あまり政治的な立ち位置は明確にしなかったと思う。
ダンディで美食家というイメージ。

戦争の体験というのは、作家の作風までも変えてしまうのだと思う。
そういう体験をした人が、たくさん日本にいた。

ぼくらはそういう人たちが存在したことを、知っている。

そういう事をちゃんと伝える努力をしないといけないと思う。

第二次対戦で日本と戦った国はどこか?と聞く若い人がいるという。
冗談ではない。

グローバル化の中で、日本は取り残されるのではないか…。


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