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2009.04.26 Sunday
続 夢のない時代
ぼくらが会社に入った頃は、明日は今日より豊かになる、という漠然とした了解があった。
とにかく、待遇がよくなるのだ。 無邪気にそう思っていた。 だから、何となく明るかった。 欲しいものは、いつか手に入る、という気がしていた。 もちろん、クルマ、クーラー、カラーテレビは当たり前の時代。 1980年〜90年代。右肩上がり。 しんどかったが、会社は仕事をやればやったで、どんどん規模が大きくなった。 そんな時代に「夢があった」、と言えるのかどうかわからない。 バブルを迎えて、地価が上がり、ゴルフの会員権が上がり、株が上がり…、何となくオカシイと思いはじめたが、もう止まらない。 世の中が狂騒状態だった。 金融機関が人をとった。理系もたくさん銀行や証券に行った。今ごろどうしているのだろう。 そしてバブル崩壊。 公的資金が注ぎこまれる。 銀行は反省すべきだ。 土地自体は何も生み出さない。 何も生み出さないものに投資し続けて、はじけてしまった。 もちろん、アメリカの言いなりになって、お金をだぶつかせるという政策もあった。 飯田経夫という経済学者がいたが、これだけ豊かになって、これ以上何を求めるのだろう…と言った。 あの時代、夢があったのだろうか。 本当の夢はなかったのかもしれない。 みんなが浮かれて、それこそ泡のような夢を見ていた。 そう思えば、本当の夢はいつの時代も同じだ。 夢に向かって本当に努力する人だけが、夢を口にできる。 その数は今も昔も変わらないのではないか。 夢は個人のものだ。 暗い時代に押しつぶされてはいけない。 |
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