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2009.04.09 Thursday
ごみ箱を空にする
パソコン用語というものがある。
モデムやLAN、メモリ、CPU、ハードディスク、マウス、ポインタ、カーソル、ドラッグ、ドロップ、クリック…。 わかる人にはわかるが、わからない人にはわからない。 ぼくはパソコンが好きだし、少しは中味もわかるから別に困らないが、本当に困る人には困るだろうなあと思う。 いろんな笑い話がある。 「メモリはどれくらいですか?」 「目盛りというのは、どこの目盛りですか?」 笑い事ではない。 何にせよ、新しいものが生まれたら、新しい言葉が生まれる。 新しい概念や装置を名付けないといけない。 そうしないと不便だからだ。 そして、それが流通しはじめると、最初はオタッキ−な人が覚える。 なんか、気持ち悪いなあ…、と回りは見る。 わけのわからない言葉を話し、悦に入っている。 でも、パソコンのようにこれだけ普及してしまうと、もうそれは市民権を得る。 オタクだけではない。 そのさかいめを越えたのだ。 だれもがその言葉を使わないといけなくなる。 その点、携帯電話はまだマシだろう。 あまりにも早く普及したので、こなれた言葉が使われている。 着うたとか、着メロ、マナーモード、バイブ…、電話として使う分にはそんなにややこしくない。 ボタンもちゃんとわかるような絵がついている。 市民権を得たパソコンは、今や86%の世帯普及率だという。 それでも、気の毒だが、わからない人にはわからない言葉がある。 メモリとハードディスクはどう違うの? ウィンドウズはアプリケーションかOSか? デスクトップとはどこのこと…? こんなの、わからなくて当たり前なのだが、86%の力だろうなあ。 何となく知らない方が悪いような風潮になっている。 ぼちぼち、世間の理解度が上がっていく。本当に遅々たる歩みだが…。 ごみ箱というアイコンがある。 デスクトップの上にあって、それらしいアイコンである。 唯一、誰でもがわかるアイコンだ。 そこにファイルを引っ張っていって捨てると、ごみ箱が一杯になったような絵になる。 じつは捨てていない。 「ごみ箱を空にする」という指令を発しない限り、残っているのだ。 これはよくできた仕組みだと思う。 時々、思い出したように、「ごみ箱を空にする」を実行する。 そうすると、もうサヨナラである。 一般的には、二度と戻ってこない。(色々取り返すソフトは出ているが…) 生活の中にあったらいい、と思うのはこの「ごみ箱を空にする」である。 イヤなこと、面白くないこと、つらいこと…、そういうことを「ごみ箱を空にする」ように簡単に忘れられたら楽だろうなあ。 でも人生はパソコンのデスクトップのように簡単ではない。 ま、それがまた面白いところでもある。 |
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