考えたこと2

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おとなしいアメリカ人
おとなしいアメリカ人 グレアム・グリーン 早川文庫。

こないだ、アメリカの保守主義に関する講演を聞いたが、その中で勧められた本。

グレアム・グリーンはイギリスの作家。
舞台はフランス統治下のベトナムであり、主人公はイギリスの現地駐在の新聞記者。

当時のイギリスをはじめとするヨーロッパ人が、大きな力を持つアメリカに対して持っていた「気分」を表した小説。

「アメリカ人」というと、「ヤンキー」のイメージでTシャツ姿で、大声で話し、ヨーロッパ人から見ると「かなわんヤツ」という雰囲気があると思う。

でも、そんなアメリカ人はまだマシで、「おとなしいアメリカ人」の方が困った存在だ…と主人公は考える。

おとなしいアメリカ人は、現実から離れた「理想」を持っており、それを「正義」として実現しようとする。
彼らの無邪気な「正義」ほど困ったものはないのだ。

ベトナムが南北に分断され、後のアメリカによるベトナム戦争に入る前の時代。

こんな風にして、アメリカはベトナム戦争に入っていったのか、ということがわかる。

そんな歴史的な背景の中で、退廃的なイギリス人新聞記者が、現地の恋人をアメリカ人と競いながら生きていく。

イギリス人が関わった、おとなしいアメリカ人の死を通して、あの時代のヨーロッパとアメリカの思いが描かれる。

ミステリ仕立てで書かれている。

この時のアメリカにはまだ理想があった。

でも、今のアメリカには理想よりもマネーが大事になったように見える。

グレアム・グリーンが生きていたら、どんなふうに描いただろうか…。

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