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2007.07.06 Friday
ジルベール・ベコー
好きな歌手だった。
フランス語はわからないが、シャンソンを聴くようになったのはベコーを知ったからだ。 30代のころ、夜テレビをつけたら、偶然コンサートをやっていた。 どこかの女子大のステージで歌っていた。 水玉模様のネクタイしかしないので有名な人だ。 「そして今は」とか「詩人が死んだ時」とかいう曲。 ライブのLPレコードとCDを2枚持っている。 渋い声で、ステージを動き回りながら、話すように歌う…いや、歌うように話すというべきか。 フランス語はわからないが、とにかくすごいパワーだった。 大きな声をはりあげて歌うわけではない。 派手なパフォーマンスをするわけでもない。 水玉のネクタイをして、ステージの上で歌っている、その姿に魅了される。 5人ほどのバンドをバックに歌っているだけだが、彼の歌には力がある。 一番好きな曲は、「バラは憧れ」。 日本では、上条恒彦が歌っていた。 永遠の誓いに 背いたこころが 君を捨ててゆく時も 隠しきれない悩みを誰にも 打ち明けられない時も バラはあこがれ バラはあこがれ バラは僕たちの夢 ベコーが作った歌だ。 原題は、"L'IMPORTANT C'EST LA ROSE"、「大事なものは、バラなんだ」という意味だと思う。 訳した時に、バラは「あこがれ」にしてしまったのだろうが、少しニュアンスが違うような気がする。 ベコーのこの唄を聞くと、サビの部分の「大事なのは、バラなんだ」というところで泣けてしまう。 18年前、大阪の小さなホールに来た時に見に行ったが、ラストでマイクを客席に向けて、この歌のリフレインの部分をみんなで唄う。 いまだに歌詞の意味は、よくわからないが、「大事なのは、バラなんだ」という気持ちが伝わってくるのだ。 2001年に亡くなってしまったが、ベコーの水玉模様のネクタイと、この歌は忘れられない。 |
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