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2007.07.01 Sunday
ネコ 2
小学校1年まで祖母の家の隣に住んでいたが、祖母の家にはとら猫がいて、そいつが好きだった。
冬はいつもコタツの布団の上で寝ており、布団をめくってやると中に入って寝ていた。 無口なネコだった。 ご飯を食べているときは、じっとみんなが食べているところを見上げている。 祖母は厳しかったので、ネコがお膳に上がろうとしたら容赦なく怒っていた。 当時はキャットフードなどなく、ご飯にカツオブシや残り物をかけたものを皿に盛ってもらって、それを食べていた。 一度、スズメを捕まえるところを見た。 姿勢を低くして、ゆっくりと近寄っていき、距離がつまったところで一気に襲いかかる。 あの時は、目を細めて布団の上で寝ているのは仮の姿…という感じだった。 首のところを掻いてやると、ゴロゴロとのどを鳴らす。 ぼくがかまってほしいと思っていても、素知らぬ顔で無視していた。 寝ているところに寄っていって、手や足を握ったり、顔を触ったりしても、面倒くさいヤツが来た…というような目で見る。 まるで、「人間はややこしい」と言っているようだった。 でも、手で顔を洗っていたり、動くものに気をとられていたりするところを見ると、別人のようだ。 そういうネコだった。 どうしても、名前が思い出せない。 彼だったか、彼女だったかもわからない。 ある日、出ていったきり、帰ってこなかった。 母が「ネコは飼い主に死ぬところを見せない」と言う。 母はネコが好きだったが、父がネコ嫌いだったので、それ以来ネコとの縁はない。 小学校の3年くらいだったか、捨て猫を拾って帰って、一晩だけ箱に入れて飼ったことはあったが…。 ネコはイヌのようには人と関わろうとしないが、そこが魅力なのだ。 |
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