考えたこと2

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何げないひと言
高校時代の友達のことを書いたので、今回は中学時代の友達のことを書く。

K君は中学の3年間の友達だった。
小学校は違ったし、高校は別々だったので、中学の3年間だけ、どういうわけかよく遊んだ。

どういうわけか・・というのは彼と僕は全然違っていたからだ。

彼は陸上部の短距離のエースで、足が速く、サッカーも得意で、スポーツ万能というヤツだった。
僕は球技は好きだったが、足は遅く、さして特徴のないヤツだったと思う。

バレンタインデーに、K君と一緒に校門を出たら、何本かの電信柱の影に一人ずつ女生徒が隠れていて、電信柱ごとにK君はチョコレートを差し出された、という光景を思い出す。
あの時の女生徒にとっては、僕はさぞジャマだったろうと、今になって思う。

通っていた塾が一緒だったのが、仲良くなった縁だったかもしれない。
いまだに、母親同士が時々会っているところを見ると、親の影響もあったのか・・。
今はK君の事は母親からの情報しかない。住んでいるのも東京だし。

きっとK君本人は覚えていないと思うが、僕には一生忘れられない彼のひと言がある。

学校の帰り道、何げなく一緒に歩いていたときのこと、彼が「おまえな、下向いて歩くな。胸はって前向いて歩け」と言った。
それまで、僕はきっと猫背気味で、ポケットに手をつっこんで、ちょっとうつむきかげんで歩く、うす暗いヤツだったんだろうと思う。

彼のひと言で、前を向いて歩いたら、すごく景色が広く見えた。その時の景色をいまだに覚えている。
学校の近所の大学の敷地内の、体育館の横のところだった。新緑の頃だったんだろう。青葉がきれいだった。

それから、僕は前を向いて歩くようにした。
何となく世界が広がったような、気持ちのいい体験だった。

もしも、彼のひと言がなかったら、ずっとうつむいて歩いていたかもしれない。

K君の何げないひと言は、僕を変えたひと言になったと思う。

ひょっとしたら、自分で気づいて前を向いて歩くようになっていたかもしれないけど、そんなことはどうでもいいのだ。
彼のひと言の価値は、そんな仮定で目減りするようなものではない。

そういうひと言にめぐり逢えたのは幸せだったと思う。

願わくは、僕も誰かにそういう何げないひと言を残していればいいんだけど・・・。
それは、わからない。

K君に感謝である。


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