考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< May 2009 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
ネタ帳
落語研究会でやったネタのテープがある。

カセットケースに入れて置いてある。
寄席にかけたものだけだから、全部で15くらいかな。
春と秋の寄席と、自分が出た月例の寄席だ。

花色木綿、七度狐、池田の猪買い、口入屋、饅頭こわい、軒付け、湯屋番、胴乱の幸助、親子酒、向う付け、長持…、あとは忘れてしまった。

落語を覚えるために、まずネタ帳を作る。
テープを再生しては止めて書き、また少し巻き戻して再生しては止めて書き…、一行おきに書くとすぐ20ページくらいになる。
今なら、デジタルにして、ゆっくり再生して書くなどという方法もあるなあ。

ネタ帳作りをした時点で、だいぶ覚えている。
でも、まだ口をついて出るというところまではいかない。

次に、高座でネタ帳を見ながらしゃべる。
プロは口うつしで覚えるらしいが、ぼくらはネタ帳を読む。
何回か通しでしゃべって、ボチボチ覚えたかな、というところでネタ帳ナシでやってみる。
ところどころ、忘れたところはネタ帳をみて、そしてやっと暗記する。

ここからがスタート。
ネタを何度も繰る。
道を歩きながら、ブツブツ言うのだ。

それと併行して、仕草を教えてもらう。
基本は上下(かみしも)だが、噺によってはいろんな演出がある。
手拭いを使ったり、扇子を使ったり…。
目線の使い方や女性の演じ方、声の使い方など、先輩に聞く。

そして、寄席の前には高座で練習。
みんなの前でやる。
これがきつい。部員はよほどのことがないと笑わない。

やっと本番を迎える。

何度か失敗したことは書いたから、もう書かない。

年に2回の大きな寄席。春と秋にある。
その寄席ではあまりよい思い出はない。
かろうじて、最後の2回はまあまあうけたかな…。

今となってはよくわかる。
練習が足りないのだ。
覚えて、何度か舞台でやって、それからその噺が面白くなってくる。
面白くなるどころか、その手前で演じるのだから、しかたがない。
ぼくみたいに不器用な人間には、難しかった。

でも、落語をやったことは後悔していない。
あの演じている時の感覚や、客席と一体になった時のすごさ…。

もう二度とできないだろうが、あんな経験ができたのは本当によかったと思う。




| | 考えたこと | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) |