考えたこと2

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左翼かぶれ
ぼくらの10代のころは、まだ学生運動が盛んで、中高の学校(ぼくは公立だった)の先生は、「左翼かぶれ」の人が多かったと思う。
当時はそういう時代だったのだ。

朝日や毎日はソビエト連邦や中国のことを礼賛し、悪いことは書かなかった。
中学の先生が、アメリカが日本にボカスカ爆弾を落とした、と反米的な発言をしたり、高校の先生が「ソビエト連邦の選挙制度は素晴らしい」ということを言っていた。
当時はまだアメリカがベトナム戦争をしていたから、アメリカは良くないと思ったりした。
その頃の新聞やマスコミの論調は、だいぶ左に振れていたと思う。

ソルジェニーツィンが出てくるまで、ソビエト連邦は素晴らしい国だと思っていた。
「ブラック・スワン」を読むまで、中国共産党の文化大革命はすごいものだと思っていた。
それでも、30代になって、やっぱり自由が一番だと思うようになった。

チャーチルが言ったと言われている(どうも怪しいらしい)言葉に、「20歳の時リベラルでなければ、あなたには心がない。40歳の時保守でなければあなたは頭が悪い」というものがある。
この言葉の真偽はわからないが、70年代の社会主義には夢や理想があったと思う。
それは、ぼくらが勝手に心に描いていただけだが、何となく「革命」という言葉にロマンを感じていた若い人は多かっただろう。
小説家にも、そういう考えの人が多かったと思う。

結局、社会主義の体制でソビエトでは2000万人、中国では6000万人が殺されたと推定されている。
国内での話だ。
ロシアや中国が結果的に虐殺した人たち。

もちろん、アメリカもいろんな悪いことをしたが、それでも内部からそれを暴露する人たちが出てくるし、どちらを取るかといえば、ぼくは自由な資本主義の体制を取るべきだと思う。
それが今となっては考えることだ。
それこそ、チャーチルが言った「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」という言葉は真実に思える。

結果的に戦後日本はアメリカの核の傘の下で、対外戦争をせずにすみ、奇跡的な経済成長さえ謳歌した。
でも、アメリカの弱体化でトランプ大統領が出てきて、戦後の枠組みを崩そうとしている。
ロシアや中国が存在感を増し、その近所にいる日本はこれから大変になるだろう。

もう内向きの価値観ではいられない。
左翼かぶれだった昔が懐かしい。
少なくともそういう理想みたいなものがあった。

しかし、それが嘘だとわかり、じゃあどうするのかという時代。
まだ日本国内でコンセンサスを得た答えはないと思う。

そんなことを考える今日このごろ…。


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