考えたこと2

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同一労働同一賃金
最近、大学生のアルバイトの話を聞くことがあるが、彼らの言うことを聞いていると、3年程度継続したアルバイトのやっている仕事にはスゴイものもあると感心する。
実質的に店長をやっている学生もいるし、バイトリーダーという役割で新人の教育をやっている学生もいる。
中には正社員に働きかけて、業務の改善をやる学生もいる。
その企業の存在理由から、こういうことをやるべきだ、という学生もいる。
いくらなんでも時給はちょっとは上がるんだろうが、正社員は何をしているんだろうか、とも思う。

最近、同一労働同一賃金ということが言われている。
そうなると、こんな場合はどうなるんだろう、ということだ。
アルバイトのベテランは正社員の人が慣れてないからとか、頼りないとか言う。
学生は自分の方が仕事に慣れているから仕方ない、と思うんだろう。
ベテランバイトの処遇にはいろんな問題があると思う。
ある意味、学生たちの使命感と無知に救われている、ということだ。
まあ、大学生でありながら、どうしてそんなにベテランになるのか、という問題はあるが…。

同一労働同一賃金なら、実質的なアルバイト店長には正社員の店長に近い給料が必要になる。
売上の現金まで扱っているような仕事内容なら、なおさらだ。
かといって、大学の学生課で「アルバイトでありながら、こんな業務内容なら時給は正社員並みにしてもらえ」、などという指導はしにくいだろうなあ。
でも、そのうちそんな指導もやらないといけないかもしれない。

パート、派遣も同様の問題はあるだろう。
仕事というものは、自然とできる人のところに集まるから、できる人の給料は上げないといけない。
しかし、それでは人件費抑制というパートや派遣を雇う意味がないから、仕事の内容を変えるしかないだろう。

今でも転勤の有無とか、仕事の可能性とか会議に出席するか否かなど、差がついている場合が多いが、現実の仕事ではパートや派遣と変わりないことも多いと思う。
名目上会議に出たり、転勤があったりするが、仕事のほとんどは変わらないということだ。
どうせ会議に出ても、黙っているなら出ても出なくても同じだし、地域限定なら転勤してもしれている。

実際、ぼくが勤めていたところでも、パートや派遣の人のほうが正社員より仕事がよくできるということがあった。
人事はなにをやっているのか、という感じだ。
しかし、そういう職場はたくさんあるだろう。

本当に同一労働同一賃金などできるんだろうか、ということだ。
まず、人件費を増やせるのか、ということだ。
国内市場が細っていく中で、これは増えないだろう。
そうなると、限られたパイをどう分けるのかという問題になる。
今言われているのは、正社員と非正規社員の差が大きすぎるということだ。
それを縮めよう、ということになる。
しかし、パイが同じだから、正社員の取り分を削るしかない。
それが本当にできるのか。

それは結局、長らく続いた年功序列、終身雇用、企業内組合という仕組みの終わりを意味するのではないか。

80年代に、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われ、これらの仕組みがあるからこそ、日本は一番になれた、と言われた。
しかし、それから30年経って、これが具合悪いということになっている。

結局、変わらないと生き残れないということだ。
強いものが生き残るのではなく、変わり続けるものが生き残る。
痛みは伴っても、変わらないといけない。


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