考えたこと2

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医者のツイート
内科医の端くれ、というアカウントでつぶやいている人がいる。
都内の勤務医ということだ。

コロナ関連で、医師や医療関係者が見ていることが全て正しいに決まっている、というような言い方で話す態度はオカシイ、と思っている人も多いはず。
感染症を抑えると言えば何でも通るのか、と思う。
そういう傲慢な態度が、一連のコロナ対応で感じられる。

もともと、日本は国民皆保険で、医師の収入のほとんどは健康保険という名の税金みたいなものだ。
ぶっちゃけて言えば、実際に働いている人たちが、医師を支えているのだ。
医師会は倫理的な団体ではなく、医師の利益を守るための団体だということも、コロナ禍でよくわかった。

外食や観光、宿泊業などの受けた打撃はものすごく大きい。
入学式がなかった学生や、ずっとマスクをしている子どもたちなど、本当に気の毒だ。
増えた自殺者の問題もマスコミも医師会もあまり取り上げない。

こないだ、政府が「医療機関に病床確保義務付け、違反の場合は罰則」という医療機関に対して厳しい決定をしたことに対して、「もうみんなで仕事辞めようぜ」という締め付けに反対の意向を示したツイートに対して、この人は述べている。

今日はそれを紹介しておく。
ぼくも、そう思う。

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辞めてみたらいいと思う。
それも常勤を辞めてバイト医者を続けるとか中途半端なものではなくて、完全に医者を辞めて生計を立てる。
そうすると私たちの大半は医師免許が無いと何もできないことに気がつくし、自分でお金を稼ぐのがどれだけ大変か分かると思う。

医者のように黙ってても患者さんがやってきて、コロナだろうが不況だろうが安定して収入がある状況ではなく、自分の身一つで起業したり営業・宣伝してお客さんを集めたり研究したりスポーツしたり芸術に生きたり、そうやって大変な思いをして人々が稼いだお金で、私たち医者の給料は支払われている。

そういう意識が全く無いから、ただただ医者の論理を振り翳して平気で自粛とか私権制限とか言えてしまう。生活を成り立たせるのが精一杯で生きている人、不安定な日々でチャレンジを繰り返している人、そういう多くの人たちにこの国も私たちの給料も支えられていることに思い至らない。

医療はもちろん重要なインフラである。ただあくまでインフラに過ぎないし、インフラというのはあくまで人々の生活を支えるものであって、医者の論理に過剰に社会が振り回されて、肝心の生活を滅茶苦茶にしてしまっては元も子もない。

また医者はあくまで数ある職業の一つである。職業に貴賎なしというのは当然だが、果たしてそれを真に理解している医者はどれほどいるか。
実際には自分たちの仕事こそ最も尊くて、世の中に無くてはならなくて、替えがきかなくて、感謝され尊敬され何よりも優先されて然るべき、そう思ってないか?

特にメディアやSNSに出てくる医者はそういう考えがベースにあるとしか思えない放言が目立つし、「結局何を言っても自分たちは替えのきかない尊い存在だから大丈夫だろう」という傲慢さが透けて見えてしまう。

たしかに医者は人の命や健康を預かる身として責任は重いしストレスは大きいし、多くの臨床医は昼夜を問わず身を粉にして働いているにもかかわらず、患者さんやご家族とトラブルになると心ない言葉を浴びせかけられたりして辛い思いをすることもあるが、その分これだけ優遇されて感謝されて尊敬されて、黙ってても患者さんはやってきて経済的にも恵まれて、そういう職業なのだと思う。

忙しすぎてつらすぎて文句を言いたくなる気持ちも分かるが、過度な文句や過剰な煽りで人々の生活を滅茶苦茶にするのは本末転倒だと思う。

綺麗事になるが医療の目的はあくまで人々の幸せな生活を支えることだし、医療と社会はお互いにお互いを尊重して支え合っているのだから、そこを履き違えてはいけないと思う。

そういう意識を医者が持つにはどうしたら良いのかと思うが、まあ結局は増え続ける医療費を社会が賄いきれなくなったら必然的に医療は縮小せざるを得ず、そうなると自然と医者も淘汰されていくのかもしれない。あとはAIやロボティクスの導入も淘汰圧になるのかもしれない。


| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 20:03 | comments(0) | trackbacks(0) |

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