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2022.07.11 Monday
ITの仕事の闇
尼崎のUSB紛失事件は、USBが見つかって、事なきを得たみたいだが、それに付随して市役所のいい加減な体質がわかった。
記者会見で聞かれてもいないのに、パスワードの文字数や構成を話したのはもちろん論外だが、それ以外にも外部委託の問題が出てきたのはビックリした。 業界では当たり前の話なのかもしれないが、それならそれで余計に驚く。 市が業務委託をしていたのはBIPROGY(旧日本ユニシス)。 問題を起こした社員は、再々委託先の社員。 尼崎市は元請けのBIPROGYが、業務を委託していることも知らなかったという。 聞くと、IT関係で委託を受けた会社の名刺を、再委託先や再々委託先の社員が持つことはよくあるという。 ITゼネコンと言われる所以だ。 受注はするが、あとは下請け、孫受けに仕事を回して儲けるという図式。 本当に尼崎市の担当者が知らなかったかどうかと思う。 実際には所属していない会社の名刺だから、身分詐称になる。 それは市の規定で禁じていたのではないか。 再委託や再々委託が当然になっているとしたら、これは問題だろう。 だから、ITの仕事は不明朗になる。 ぼくらが仕事を紹介するときに、ITはこれから世の中に必要だから、いまそれをやることはいいことだ、というのだが、ITの会社にもいろいろある。 なかには実体は派遣ばかりという会社もあるのだ。 そういうところでも、実際に派遣して使い物にならないということを避けるために、社員の研修はやる。 ひどいのは、そういう採用の宣伝をしておきながら、実際は派遣でデーター入力の仕事だけというところもある。 そのあたりが、IT系の闇の部分。 もちろん、本人にやる気があって、そういう仕事から頑張ってプログラミングの仕事に変われるような制度もあるようだ。 どの程度、やる気を持たせるかというインセンティブがどれくらいあるのかが問題だが…。 これからITで日本が存在感を出すためには、こういう慣例はなくさないといけない。 最もIT化が遅れている公的分野のIT部門に、ちゃんとITの事がわかる担当者を置くのは当然だ。 でも、残念ながらこんな状態ではその道は遠いと思う。 |
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