考えたこと2

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理想中毒
若い頃、理想に走るのは若者の特権でもある。
身も蓋もない言い方をすれば、世の中の事を知らないから理想に走れる、ということだ。
しかし、大多数の若者はそういう理想を持たずに過ごすし、持っていても行動に起こさず、大人になるのだと思う。

大学で就職支援の仕事をしていたとき、大学間連携の団体で、世界平和を目指しているという活動をしているという学生と話したことがある。
働く目的は何か?と聞くと「世界平和の実現」という。
まあ、それは置いといて、もっと身近な目的は?と聞いても「世界平和」だという。
頭の中で「世界平和」が花園のようになっていた。

また、ゼミでCSR(企業の社会的責任)を勉強している学生もいた。
彼はCSRの担当を志望していて、企業で最も大事なのはCSRという考えを持っていた。
こちらも、まず利益を上げて、余裕ができた企業がCSR活動に力を入れるので、まずは利益を上げられる人が必要とされるのではないか、と言ったがなかなか聞き入れられなかった。

もちろん、どちらの学生も内定はなかなか出なかった。
企業の目的はまずは利益を上げることであり、慈善事業だけをやっているのではないからだ。

後者の学生については、ゼミの教員にどんな事をやっているのかを聞いたが、CSRが必要になってきた意味とか意義とか、なぜそれが大事か、というような事をやっているようだった。

年寄りが若者に対して理想を語るのは程々にするべきだと思う。
なぜなら、理想が現実になっていないのにはそれなりの理由があるからだ。
それが世にいう適法だがダーティーなビジネスの場合もあるし、商習慣として従来からやっている場合もある。

企業の存続のためには、まずは儲けることが必要だ。
正当な利益を得て、社員に給料を払い、株主に配当し、税金を払う。
法律を守って、それらを行っていれば、企業は存在できる。
それができる社員がほしいのだ。

大学は社会から隔離されているが故に、そこでずっと育ってきた教員は理想(ある意味では偏見)を持っていることが多い。
ステレオタイプで言えば「企業が儲けるのは悪事をしているからだ」というようなもの。
そういうことを教えている人もいた。

CSRなども同じこと。
あたかも、それが企業の目的のように教えている。
それに走った学生は、結局就職に苦労することになる。

大学のセンセイは社会から切り離された安全な場所で、収入は確保したうえで、理想を語っている、という現実をわかっているのだろうか。

少しは現実を知り、若い人に無責任に理想を語ることの罪を悟ってほしいのだが…。


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