考えたこと2

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語学の危機
グーグル翻訳ができて、ポケトークのような商品が売り出され、語学を使った仕事というものもだんだんと要らなくなってくる。
文章翻訳のツールは飛躍的に進歩した。
2018年にも英語を学ぶ意味について記事を書いた。
実際にポケトークを使っている土産物屋も出てきている。

ぼくが会社にいる頃は、パソコンで使える翻訳は、全く反対の意味になったりして使い物にならなかったが、グーグルがAIを使った翻訳をやり始めて、あれよあれよという間に良くなったと思う。
英語から日本語に関しては、今や下手に自分で訳すより、グーグル翻訳の方が圧倒的に賢い。
下訳としてグーグル翻訳で、前後の関係から、日本語のおかしなところのみ原文を確認するというやり方で仕事に使う英語なら十分だと思う。

以前も書いたが、英語教育に関わる人達が、この事をあまり議論してないのはオカシイ。
自分たちの仕事がなくなるから、議論しない、ということなのだろうか。
本来なら、その人達がまず議論してそれを世に問わなければならないのだが…。

文科省は英語教育に熱心だが、本当にその価値があるのだろうか。
小学校で英語を習うとか、大学入試で市販のテストを使うとか、いろいろなことが言われているが、自動翻訳の技術が進めば実際上は必要ないのだ。

実際、翻訳の専門家もGoogle翻訳が普及して、English Onlineの記事でこう言っている。

「これは、もはや「考える」という工程を丸々機械にやってもらうということです。そして困ったことに、われわれ外国語の専門家にはその行為を批判するだけの根拠がない。少なくとも、電卓を使って請求書を作成し、国税庁の自動計算フォームに頼って確定申告を行う私にあるとは思えません。この原稿だって、Pagesに漢字変換してもらいながら書いているのですから。」

さらに、ポケトークが通訳の仕事も奪う、ということになる。

「悲しいかな、やがてそんな思惑も「ポケトーク」という怪物によって粉砕されることになります。「翻訳機」ならぬ「通訳機」を自負するポケトークが変換にかけるインターバルの、その戦慄(せんりつ)するほどの短さ。もちろん雄弁なフランス人アーティストと芸術論を戦わせるのはまだ無理ですが、海外旅行や知人とのちょっとしたやりとりであれば十二分に役目を果たす代物です。
ようやく私は、「外国語学習」の、ひいては「翻訳家」や「通訳者」の絶滅をはっきりと意識し、向き合うようになりました。」

この記事の著者はコロナの影響で、人々が自分の言葉で海外の人にメールを打ちたいというような要望が出てきて、かろうじて語学は生き延びたと書いているが、そんなニーズはしれていると思う。
その人たちも、そのうちGoogle翻訳を使って出すようになるだろう。

ぼくは亡くなった英語学者の渡部昇一が、過去に英語教育について論争した文庫本が忘れられない。
彼は英語を学ぶ意味は、構造の違う言語を学ぶ努力をすることで、頭を鍛えることだ、という。
それはその通りだと思う。

しかし、これだけ自動翻訳が発達すると、さすがに学ぶ価値があるのか、という議論になると思う。

英語を仕事にしている人たちは、まさにそれと向き合っていると思うが、肝心の教育界や英語学会の保守性はどうしようもない。

なぜそういう議論が出てこないのか。
じっとしていたら、余計にひどくなるのはわかっていないのだろうか…。

いや、自分が生きている間は大丈夫、と思っているのだろう。

これぞ無責任。

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