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2020.06.05 Friday
SDGs
SDGsという言葉は、持続可能な成長目標(Sustainable Development Goals)という意味だ。
この言葉を聞いたのは数年前だったと思う。 その時は、持続可能ということで、資源を減らさない再生エネルギーや、ものをリサイクルする、というようなことだったと思う。 ところが、こないだ見ていると、SDGsは17項目もあるという。 17は多いなあと思って詳細を調べると、アイコンができていて、中身を見てちょっとビックリした。 項目を列挙すると、貧困をなくす、飢餓をゼロにする、すべての人に健康と福祉をもたらす、質の高い教育の普及、ジェンダー平等を実現する、安全な水とトイレの普及、手ごろな価格のクリーン・エネルギーの普及、ディーセント・ワークと経済成長を両立させること、産業と技術革新の基盤をつくること、人や国の不平等をなくすこと、住み続けられるまちづくり、責任ある消費と生産、気候変動に具体的な対策を取ること、海の豊かさを守ること、陸の豊かさを守ること、平和、正義と充実した制度機構、パートナーシップで目標を達成すること、という17個。 国連で2015年に採択された。 さらに、この17個の目標の下に169個のターゲットがあるという。 最近、WHOは言うに及ばず、国連の活動にアメリカは愛想が尽きている、という感じがする。 その原因がちょっとわかった。 第二次大戦が終わった後、戦勝国を中心に国際連合ができて、当初は戦勝国が常任理事国になって機能していたのだと思う。 加盟国数を見てみると、1945年は51カ国、60年に99カ国、70年に127カ国、80年に154カ国、2000年に189カ国、2011年に193カ国という数字が国連の広報センターに出ている。 できて50年以上の間に、3倍になってしまった。 世界の国々が、第二次大戦後、冷戦を経て平和になり、どんどん独立して国連に加盟した。 その結果が今の国連。 アメリカから見れば、国が増えすぎたということなのだろう。 冷戦が終わり、いろいろと他国のことに首を突っ込んできたが、もう疲れてきたので「世界の警察官」はもうやめる、という状況。 相対的にアメリカの力が落ちると、ロシアが出てくるというのが従来の常識だが、ロシアもアメリカのシェールオイルが出てきてからは苦しい。 代わりに力をつけてきたのが中国。 WHOの様子を見ているとわかるように、アメリカが見放した国連を着々と支配しているように見える。 一帯一路もその一環だし、アフリカへの投資も同じだろう。 そんな状態で出てきたのが、このSDGs。 多くの途上国の要望があったのだろう。 非常に網羅的な要求になっている。 しかし、これらは現実にはならないと思う。 自由市場は「差異」の経済だから、みんな一緒に、というのはどう考えても無理なのだ。 「差異」があるから、優位性が成り立ち、儲かる、という循環が成り立つ。 だから、世界の国々がそれぞれ17個の項目の実現を目指すことはいいことだが、それが実現するとは思えない。 おまけに、機関投資家が投資をするときにはSDGsを考慮している会社に投資しよう、という動きまであるという。 SDGsが本気で実現したら、どうやって経済を回し、儲かるところを見つけていくのか、わからない。 本気なのだろうか。 日本は、2018年にニューヨークの国連本部で開かれたSDGsに関する政治フォーラムで、2030年に向けて民間企業および市民団体へのSDGsの取り組みを普及・拡大を促進しながら、“オール・ジャパン”でSDGsに取り組むことを表明したという。 なんだか、キレイ事に振り回されているような気がする。 そんなに世界は理想的なものではない。 難しい問題だ。 |
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