考えたこと2

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教育劣化
これはびっくりした。
「教育劣化どこまで 社会に出て「引き算」を習う大人たち」という日経ビジネスの記事

ぼくがキャリアの仕事を始めた2007年に、新入生の「基礎学力テスト」の生データーをベネッセからわざわざお金を払って見せてもらって、驚いた時を思い出す。
そのことで、偏差値の何がいけないかという記事も書いた。
以前、9-3÷(1/3)+1=?という問題を、新入社員ができない、ということを書いたときにも、文句を書いた覚えがある。

2007年の時点で、ぼくの勤めていた学校の新入生は「割合」や「分数」の概念が身についていない人たちが非常に多かった。
着任したときには、フレッシュマンオリエンテーションで「ハンカチ落し」をやるとか、「着ぐるみ」を着た先生が出てくるとか、「新入生のリテンション」や、「初年次教育」という大学になじませるための授業、夏休みの志願者集めのための「オープンキャンパス」などで驚いたが、それどころではなかった。

それまでは、情報教育課というところで、ノートPCを持たせることとか、パソコンの使い方を教える授業とか、PC教室の運営とかをやっており、新入生の学力に直接関するようなことはやっていなかった。
この当時、評判の金沢工業大学に見学に行ったりもした。
そこからキャリア支援に変わって、この基礎学力テストの生データ−で呆れ返ってしまったのだ。

呆れ返った理由は2つある。
一つは教育に関わっているベネッセという会社が、「偏差値」だけを大学に出して、生データーを出さないという不誠実さだ。
実際に何がわかっていないかがわからないと、教育現場でどう対応していいかわからない。
もう一つは多くの下位の大学(そういう学校しかこの手のテストはやらない)が、生データーをもらわなくても、誰も文句を言わないということだった。
結局、基礎学力テストをやっても、それを実際に生かそうと思っている学校はないのか、と思った。
位置づけだけ、わかればいいのだ。

その後、他大学との寄り合いの席で、隣に座った似たような偏差値レベルの学校のキャリア関係の人に「オタクの学校では、%や分数が分からない人はたくさんいますか?」と聞いてみて、「いや、恥ずかしい話、たくさんおります」という返事を何度かもらって、安心すると同時に、これはエライことだと思った。
いったい、日本の教育はどうなっているのか、ということだ。

学内の会議でそのことを訴えたりしたが、そんなことに問題意識を持っていて、なんとかしようと真剣に思っている教員はほとんどいなかった。
いたとしても、本気でその対策をすれば、学生の人気がなくなり、自分たちが困る、と思っているのだろう。
どこに理念があるのか、全く理解に苦しむ。

事務局長をやっていたときに、念願の「学習支援室」を作った。
ちゃんとした部屋ではなく、エレベーターホールをパーティションで仕切ったものだったが、今はどうなっているのだろうか。(メールで聞いたら、存続して繁盛?しているとのこと)

しかし、さすがに「引き算」を習う大人がいるとは思わなかった。
それも、大手の会社の人たちだという。
引き算といっても、「8-0.23=」というような整数と小数のもの。
8は8.00だということがわかっていないだけだと思うが…。

世の中が整数だけで割り切れるのだったら、それでいいのだが、実際には割合の概念を使わないといけないことばかりだ。
そういう概念操作ができない人が、たくさんいるという事実。

何度も書くが、小学校のころ日本には資源がないので、人が大事だということを先生が言っていた。
本当にそう思って、文科省をはじめ、教育関係者は取り組んでいるのだろうか。

神戸市の教員いじめの問題を見るにつけ、今なんとかしないといけないと思う。


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