![]() |
2019.09.21 Saturday
知識が必要
ウォーレン・バフェットというと、世界で知られた大金持ち。
投資の神様と言われている。 その彼が、面白いことを言っている。 彼は、人が知らない情報を得て、それでお金を貯めたわけではないという。 そうではなくて、誰もが知っている情報をよく考えて、年に数回取引をすることを繰り返してきた、ということだ。 昔は、情報はお金で買うものだった。 バブルの時代は、ロイターやブルームバーグの情報端末は必須だった。 年間1200万円のお金がかかっても、株や為替のディーラーをやって儲けようとすると、人より早く情報を得ることは大事だったのだろう。 しかし、今は人より早く情報を得ることなどできない。 インターネットがそれらを破壊したからだ。 今は誰でもすぐに手に入る為替のデーターなど、昔は職業ディーラーが独占して儲けることができた。 もうそんな時代は終わった。 バフェットの言葉に「正確に間違えるより、大雑把に正しい方がマシ」という言葉があるらしい。 世の中に情報が溢れすぎ、それらの情報を整理し、大雑把に正しい方向を導く、というのが意外と難しいということだ。 会社では上司がいろんな条件を設定していたりするが、それが間違っていることも多いという。 その、間違った条件に基づいて、情報を整理し「正確に間違える」よりは、その条件を外して全体を見て考え、大雑把に正しい方向を見定めることが大事という。 その「情報を見極める」ためには、「知識」が必要だという。 これが本当に大事だとぼくも思う。 世間の教育者は、インターネットで検索すればすぐに答えが出てくるので、これからは「知識」は大事ではなく、「考える」ことが大事だという。 だから、アクティブ・ラーニングなどという言葉が重宝される。 やっていることは、みんなで話し合って、答えを出そうというものだ。 本気で言っているのだろうか。 それなら、今の学校など要らない。 「考える」ためにこそ「知識」が必要なのだ。 そのことについて、何も知らなければ、何が大事なのかわかるはずがない。 極論すれば、検索して出てきたものを並べ、それらを同じ重みで考え、そして答えを出さざるを得ない。 それこそ、「正確に間違える」ことも十分にあり得る。 アクティブ・ラーニングで、ある問題を話し合うときには、予備知識が必要なのだ。 それをすっ飛ばして、みんなで話し合っても意味がない。 逆に、何でも検索して出てくるようになったからこそ、知識が必要とされるのだ。 それも、大雑把に方向を見いだせるような「知識」。 これは、そう簡単にはつけることができない。 それこそが、21世紀に必要とされるものだと思う。 |
![]() |