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2018.06.13 Wednesday
メメント・モリ
「メメント・モリ」とはラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味。
これは日本でいう「無常」と似たような意味だが、ちょっと違うところが面白い。 「無常」はあらゆるものは変転し、常なるものはない、ということ。 その中の一つとして人間もいる。 死すべき存在としての人間だ。 それに対して、「メメント・モリ」は人間の死だけについての意味だ。 西洋では自然と人間は区別されている。 でも、こと人間に関しては同じような意味になる。 昔は「いずれ死ぬのだから、今を楽しめ」というような意味だったらしいが、キリスト教の時代に変化したらしい。 死を思えば、生きている間の考え方も変わるということだ。 一方、「無常」には「あきらめ」を感じる。 すべての人は死ぬのだから、それを受け入れるしかない、ということだ。 平家物語の「驕れる者は久しからず」、というような教訓的な意味もあるが、ぼくは「どう生きたって、いずれは死ぬのだから」というようなあきらめの感情が強いように思える。 だからどうやねん、という気持ちは残る。 「死」に関しては、メメント・モリの方が好ましい。 あきらめるより、積極的に「死を忘れるな」ということだ。 こういう厳しさは、無常観にはない。 キリスト教的な厳しさだろう。 キリスト教は、個人と神の関係のみだ。 プロテスタントは特にそういう関係だと思う。 先祖代々とかいうのは、全く出てこない。 メメント・モリ。 そうありたいと思う。 |
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